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需要回復の兆しをみせる産業機械
産業機械の需要が好転の兆しをみせている。日本産業機械工業会によると、5月の受注は今年に入って初めてプラス成長に転じた。2016年度は、国内では景気低迷による設備投資の鈍化、海外においては新興国の経済不振や、原油安にともなう資源・エネルギー関連の投資抑制などが響き失速した。ただ、ここにきて国内ではIoT(モノのインターネット)を活用した生産性向上などの省力化投資が目立つ。海外も新興国の需要回復、資源国の投資再開など復調の気配にある。
産業機械の受注は、14年度に6兆円の大台を超えていたが、15年度に5兆5000億円を割り込む。16年度は5兆円1000億円弱まで沈んだ。
16年度は、内需をみると石油製品、鉄鋼、電気、情報通信機械、造船などが不振。製造業、非製造業とも前年度の実績に届かなかった。外需も世界的な景気悪化に加え、アジア新興国など需要をけん引していた地域で設備投資が急減。インフラ関連の投資マインドも冷え込んだ。また原油価格の低迷により、資源国での投資抑制が続いた。
しかし17年度受注は5兆6000億円台まで回復すると予測される。内需をみるとIoTやAI(人工知能)、ビッグデータといった第4次産業革命の流れを受け、新しい製品技術や生産技術を導入するための設備投資が増える見通しだ。自動化・生産性向上ニーズに加えて省エネ・省力化投資、ロボットの積極的な導入、環境負荷を抑制する再生可能エネルギーなど発電設備が需要をけん引する。また官公需は、高度成長期に老朽化したインフラ関連の更新投資をはじめ、20年に開かれる東京五輪に向けた投資が本格化。プラス成長維持が見込まれる。
17年度は原油価格が50ドル近辺で落ち着いている。外需では、新興国を中心にエネルギー消費が伸びるなか、資源国は原油・ガスなどの生産量を維持・拡大する必要があり、いつまでも投資決定の先送りは難しい。こうした事情も追い風となる。
さらに将来的には、世界的な人口増加によってエネルギー消費量が拡大、食料増産要請も高まってこよう。肥料プラントの新設など新しいプロジェクトが動き出す可能性がある。北米の液化天然ガス(LNG)案件も有望だろう。
とくに石油精製、石油化学、肥料、資源・エネルギー関連のプラントは、計画から建設まで3―5年程度の期間が必要。需要が立ち上がってきてからの投資決定ではビジネスチャンスを失う。その寸法で行けば、来期にかけて新しいプロジェクトが動きだす可能性もある。