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2017年08月04日 前へ 前へ次へ 次へ

太陽光発電の未来を担う「第4世代」

 太陽電池(PV)最大手の中国ジンコソーラーが先月、2017年通年の太陽電池モジュールの出荷見込みを発表した。その量は実に10ギガワット。日本のトップメーカーの約10倍だ。14年に記録した日本国内のピーク需要を、1社のみで賄える生産量となる。主に大規模太陽光発電所(メガソーラー)向けの供給となるが、同用途では日本勢が太刀打ちできない事実が改めて浮き彫りとなった格好だ。
 太陽光発電協会(JPEA)が同じころ公表した太陽光発電産業ビジョン「JPEA PV OUTLOOK 2050」が興味深い提言をしている。これからの太陽光発電は「PVシステム4・0」(第4世代)に進化させる必要があるというものだ。蓄電池を使う自家消費モデル(第3世代)をバージョンアップしたもので、AI(人工知能)の活用がポイント。AIの学習機能により系統安定化に能動的に貢献するという。
 そして第4世代のもう一つの特徴が、太陽電池の設置を土地や屋根に制限していない点だ。建物の外装・内装のほか、橋梁などの建築物、電気自動車(EV)、ロボットなど、あらゆるものに設置・搭載を可能にすべきだと強調する。非接触の充放電技術の確立により「EVやロボットに搭載された太陽光発電システムは、系統への連携・独立を自在に選択できるようになる」としている。
 日本では太陽電池の需要は下がり続ける一方。JPEAの増川武昭事務局長によると「20年くらいまでは下降トレンド」という。メガソーラーの適地確保が困難を極めるなか、日本の太陽電池産業はIoT(モノのインターネット)社会と連動した需要拡大以外、生き残りの道はないだろう。
 その代表例として、有機薄膜太陽電池(OPV)の使用法が挙げられる。少ない光で発電が可能なOPVなら、IoT社会に不可欠なセンサー電源用として室内にも導入可能だ。しかも将来的には、塗布することによってビル1棟、自動車1台丸ごとの発電も夢ではなくなる。
 また点在する太陽電池を、VPP(バーチャルパワープラント)技術で、1つの発電所のごとく運転・制御する取り組みも重要になるだろう。
 15年末に地球温暖化対策の新たな国際的枠組み「パリ協定」が採択されて以降、低炭素化・脱炭素化は世界共通の認識となった。持続可能な社会の実現に向けて太陽光発電は、なくてはならない存在だ。需要の落ち込みで事業存続を問う声も聞こえるが、あまりにナンセンス。そこに光が降る限り、ビジネスチャンスはどこにもある。


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