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2017年07月27日 前へ 前へ次へ 次へ

「内航未来創造プラン」実現に期待

 内航海運は国内貨物輸送の44%、産業基礎物資輸送の約8割を担う、わが国の基幹的輸送インフラ。だが、その一方で多くの課題を抱えている。その解決に向けて国土交通省が6月末、新産業政策「内航未来創造プラン」を発表した。
 業界の抱えている課題は、中小企業が多く事業基盤が脆弱、船員不足―に絞られる。プランでは、前者に対しては「国土交通大臣登録船舶管理事業者」(仮称)登録制度の創設、後者に対しては自動運航などの先進船舶の開発・普及、船員教育体制改革・船員配乗のあり方の検討などを掲げている。これら施策の実現に向けた取り組みに期待したい。
 船舶管理事業者とは、内航船のオーナーやオペレーターに代わって船の保守・運航計画・雇用を行う事業者のことで、その活用は以前から求められていたが「管理レベルが不安」「事故の責任所在が不明確」などを理由に小規模の内航事業者で利用が進んでいない。そこで国交省による登録制度の創設案が示された。管理会社が第三者機関から統一的な評価を設けることで質の高いサービスを提供し続けられるようにし、顧客の不安払拭を狙う。検討会を立ち上げ、2018年度の創設に向けて議論を進める予定だ。現在、日本船舶管理協会に加盟している船舶管理会社は39社あるが全国で何社あるのかも分かっていない。全容の把握も含め十分議論を尽くして欲しい。
 いわゆる船舶と船員の"2つの高齢化"も重要な課題だ。船齢14年以上の老齢船が7割超、50歳以上の船員が50%超となっている。鉄道・運輸機構には低利・長期の資金を安定供給する船舶共有建造制度がある。こうした制度を、より利用しやすくする方策や税制優遇など、さまざまな角度から船舶新造への支援を検討する必要があろう。
 船員不足への対応も危急。内航海運に携わる船員数は15年で2万258人と約10年で7%減った。50歳以上の船員が5割を超え、60歳以上が約25%、65歳以上も相当数あるようだ。今後の操船の中心的な担い手となる30―40代が少ない。確かに3カ月乗船して1カ月休暇というシフトは今の若者のライフスタイルにはマッチしにくい。ただPR効果もあって、この10年間で20代は増えている。船舶の居住環境改善や食生活改善など魅力ある職場作りを、さらに進める必要がありそうだ。
 環境問題への対応も欠かせない。20年1月から船舶の燃料油に含まれる硫黄分の濃度規制が強化される。低硫黄燃料油の供給に関し、エネルギー業界の理解も得なければならない。


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