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2017年05月22日 前へ 前へ次へ 次へ

経営の基軸となるサステナビリティ

 海外の化学大手で、サステナビリティ(持続可能性)を経営の基軸にした多彩な活動が目立っている。エボニック インダストリーズのステファン・ハーバー コーポレート・レスポンシビリティ担当シニアバイスプレジデントは、サステナビリティについて「社会や企業活動を大きく変える『ゲームチェンジャー』となっている」と、本紙との会見で強調した。他の多くの企業も、将来を左右する重要なテーマと位置付けている。
 ハーバー氏は「サステナビリティと実際のビジネスが深く結びつくことは必然」とも述べている。「e―モビリティー社会への転換、都市化の進展、エネルギー効率に優れた住宅の重要性、そして人口の増大にともなう食料事情などを考えるだけでも、サステナビリティと事業活動が不可分」なためだ。
 DSMのディミトリ・ドゥ・フリーズ経営会議メンバーの見方も同じ。同社の今後の姿を見極める際のキーワードに「人口増大」「気候変動」を挙げ、前者にはニュートリション、後者には電気自動車、バイオベースの素材、マテリアルリサイクルなどが重要になると指摘する。「これら分野では、まったく新しい技術や素材が必要になり、サステナビリティへの貢献も欠かせない。DSMがライフサイエンスとマテリアルサイエンスの各事業を展開しているのは、何ら偶然ではない」と本紙との会見で言い切った。
 両氏は「サステナビリティはイノベーションを創出するための要因になっている」との見方でも一致している。だからこそサステナビリティを高めるべく新たな取り組みが求められる。DSM主導のコンソーシアムが始めたプログラム「Bright Minds Challenge」は、その一つ。100%再生可能エネルギーの普及に貢献するソリューションの事業化を支援するもので、とくに太陽光発電と蓄電に関する技術・アイデアを世界的に募集。優勝者には宣伝広告から技術・経営両面での支援、投資家の紹介など、事業加速のためのサポートパッケージ500時間分(10万ドル相当)を提供する。すでにトップ3者を選定済みで、6月に決勝ラウンドが開かれる。
 DSMは、2015年の投資案件から社内カーボンプライシング(炭素の価格付け)を適用した。投資決定に際し、CO2など温室効果ガスの排出が、どれだけ環境に影響を与えるのかを判断材料の一つにしたのである。価格設定はCO2排出量1トン当たり50ユーロと、相当高い水準だ。こうした意識と、それに基づく強い意志も、サステナビリティの向上に欠かせない。


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