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2016年07月20日 前へ 前へ次へ 次へ

IoT活用に意欲示す化学系エンジ

 プラントの操業支援や設備管理で、IoTやビッグデータを活用したサービスを事業化しようという動きがエンジニアリング各社に広がっている。とりわけ「ユーザー系」といわれるエンジ企業、例えば化学系では親会社が蓄積した膨大なプラント稼働データを活用し、信頼性の高い生産・設備管理システムを構築できるのが強みだ。各社とも親会社の国内投資が減少し、仕事量の確保が難しいことが共通課題。そのなかで高経年化が進む国内産業プラントに対する操業・保全(O&M)サービスの、新たなビジネスモデルとなる可能性を秘めている。
 旭化成エンジニアリングは、電力小売自由化にともない参入した新電力事業者を主対象に想定し、発電プラントメンテナンスサービスを事業化した。旭化成グループが培った保全技術とプラント操業データを生かし、連続安定運転と保全費削減を実現する。保全計画の策定支援から個々の機器の診断などの計画保全、環境エンジニアリングまでメニューを体系化した。
 三菱化学エンジニアリングは三菱ケミカルホールディングスグループのプラント建設、操業支援などの豊富な経験を基にした生産管理システムの構築を進めている。製造における各種パラメーターとアウトプットとの相関関係を探ることにより、品質安定性を高め、工程およびコストを削減する。現在、三菱ケミカルグループの製造現場に導入中。今後は同グループの他のプラントにも広げ、スマートファクトリーを実現するとともに外販も行う考えだ。
 エンジ大手企業や計装企業などにも、ビッグデータを活用した生産・設備管理システムの事業化の動きがあり、過去に建設したプラントに対してサービス提供を検討している。ただシステムは構築できても、収集・解析すべき稼働データはプラントオーナー側にあり、その利用には何らかの契約が必要になる。これに対し自社グループの長年にわたる膨大な蓄積データを活用できるのは、化学系エンジ企業にとって有利な点だ。
 経済産業省は、ビッグデータやIoTを活用したスマート保全を推奨しており「スーパー認定事業所」など新たな制度を立ち上げようとしている。高度な操業技術はインフラ輸出にも貢献が期待される。同省によれば石油・化学・鉄・非鉄でプラントの保全費は年間3兆2000億円にも上り、安全性・生産性向上とコスト削減が併せて求められる。化学プラントの管理技術は、発電、医薬、食品などの分野にも応用可能であり、化学系エンジの対象となる市場は、かなり大きいと言えそうだ。


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