八千代工業は、車両内に侵入する光の透過率を自在に制御する新調光システムを開発した。このシステムは偏光フィルムを応用した独自機構の採用により、調光ガラスに比べて大幅にコストを低減したのが特徴。既存のサンシェードスペースに収まる製品厚さを実現しており、手動により2枚の偏光フィルムの相対角度を調整することで最大で99・7%の遮光率を可能としている。同社では、自動車をはじめ鉄道車両や旅客機など向けに低コスト調光システムとして提案していく。
自動車向けに実用化されている調光システムは、光透過ガラスの間に調光部材を設けた構造をしており、電圧により遮光率を調整する仕組みとなっている。形状自由度が高くデザイン性に優れるが、高コストのため採用は高級車に限られている。一方、安価な遮光フィルムは入射光量を任意に調整できないため、状況によっては視認性が低下するといった課題がある。
新開発の調光システムは、偏光フィルムの相対角度を調整することで入射光量を制御するもの。透明樹脂およびガラスを基板に2枚の偏光パネルを作成し、駆動ギアによりダイヤル操作で室内の明るさをコントロールすることができる。シンプル構造の採用により、調光ガラスを使った既存システムに比べて10分の1以下の低コスト化を実現。また、電源を不要とすることで設置を容易にしたほか、製品厚さを12・5ミリメートルに抑えることでサンシェードスペースへの収納を可能としている。
可動域を確保する必要から形状に制約があるものの、大幅な低コスト化を武器に調光サンシェードシステムとして提案していく計画。同社では、鉄道車両や旅客機などにもニーズがあるとみており、非自動車分野の開拓にも取り組んでいく。

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