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ベンチャー企業の優れた技術と技術海外流出の懸念
ベンチャー企業を取材し始めて1カ月が経つ。まだ2つのインキュベーション施設しか訪問していないが、日本にはこれほどすごい技術があるのかと感心させられることしきりだ。新しい知識を仕入れ、書いてその知識を肉化するのが記者の仕事で、その意味では極めて楽しい日々だが、一方で心配もある。それは日本の優れた技術が海外へ流出してしまわないかということだ▼埼玉県で研究を続けるあるベンチャー経営者は言う。「大企業と共同開発しようと思っても極めてスロー」「銀行に目利きがいない。何度も同じ説明をさせられ、あげくに資金調達を断られる。技術を担保に取るという視点を持っていない」と手厳しい▼また「オープンイノベーションは、大事な技術、人材を引き抜かれる懸念がある」と不信感も募らせる。「講演会で話した講師などがヘッドハントされるのは当たり前になっているので、弊社は私以外、外で話をしないようにしている」と▼「死の谷」はベンチャーにとってつきもの。そしてその「死の谷」は研究成果を大きく広げようという時に起きる。ベンチャーの技術のなかには不発に終わるものもあるかもしれないが、破壊的革新につながる技術もある。そうした技術が海外流出しないよう、産の側の理解と支援が求められていると強く感じている。