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スマートセルインダストリー バイオ新時代幕開け【中】
経済産業省は、スマートセルが拓く産業群を医療・ヘルスケア、工業(ものづくり)、エネルギー、農畜水産業・食糧の4分野に整理した。
医療分野が牽引
このうちスマートセルの機能を人間の生体内で発現させるのが医療・ヘルスケア。遺伝子治療や再生医療、代謝制御による治療などがすでに実用化されている。世界の医薬品トップ10品目のうちバイオ医薬品が7品目を占め、創薬プロセスでは主流の地位にある。世界各国ともバイオ関連の研究開発投資の大半が医療・健康分野。技術開発のけん引役となっている。
一方、今後世界が直面する人口増加や資源枯渇などを解決する上で、バイオテクノロジーの産業利用、工業分野や農業分野での技術開発と実用化が期待される。
OECDの報告書では、世界のバイオ産業市場は2030年に1・6兆ドルと予測。このうち4割を工業分野が占めるとした。医療や創薬分野を上回る速度で工業分野のバイオ関連市場が成長するという予測だ。
欧米のバイオエコノミー戦略に共通するのは、燃料のバイオマス化。米国は30年に10億トンのバイオマスを用い、石油由来燃料の36%を代替すると表明。欧州連合(EU)は、30年までに域内輸送燃料の25%を生物由来に置換する目標。気候変動問題を背景に脱化石資源化を進めるためだ。これは工業分野にも共通する。
エネルギーやものづくり分野では、スマートセルから機能性物質を効率的に取り出して高度利用につなげることが目標になる。藻類由来のジェット燃料開発もその一つ。米国が導入を開始したがまだコストは高い。日本でもNEDOプロジェクトなどいくつかの技術開発がしのぎを削る。
ものづくり分野で最もインパクトが大きいのは化学工業といわれる。分かりやすい事例としてのバイオポリマーは、ポリ乳酸、バイオPETなど容器包装や汎用グレードだけでなく高機能化が進み、自動車の内外装や光学フィルムなどへの採用も進む。
さらに近年、発酵法によるバイオコハク酸の量産技術が確立したのに続き、バイオ製法による1,4ブタンジオールの量産も実用段階に入った。バイオコハク酸の還元プロセス、グルコースのワンステップ発酵。いずれも常温・常圧の発酵プロセスで、高温・高圧の石油化学からの転換。バイオプロセスでスパンデックスやPBT(ポリブチレンテレフタレート)などのエンプラまでを製造できることになる。
生物機能の高度デザインで成功した事例として、人工クモの糸繊維が注目されている。クモ糸の強靭さは古くから知られていたが、慶応大学の研究グループが世界に先んじて微生物による量産化と製品への実用化を果たした。一言でいえば、「微生物がクモ糸のタンパク質を作りやすいよう、設計図(アミノ酸配列と遺伝子配列)を最適化した」ことが成功のポイント。これは、世界のどの研究グループも着目していなかった点だという。
「重量当たりの強靭さは鋼の340倍」がうたい文句。強度と伸縮性・柔軟性に加え、樹脂と密着性やリサイクル性にも優れ、高機能素材となる可能性は大きい。
狙った機能実現
微生物や動植物とその細胞を遺伝子レベルで自由に設計できれば、狙った機能を持つ素材を得られる。工業用素材はもとより、化粧品や機能性食品、医薬品原料など、化学工業が直接・間接に接点を持つあらゆる分野で応用できる。生物しか生産できない複雑系の高機能分野はスマートセルで、大量生産、均一生産は高温・高圧の化学工業プロセスで―そんな使い分けが現実味を帯びようとしている。