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2016年06月01日 前へ 前へ次へ 次へ

医療機器革新にエコシステム不可欠

 次世代の電動車いすを開発するベンチャー企業のWHILLは今年3月、最新モデル「WHILL Model M」について、米国食品医薬品局(FDA)から医療機器としての承認を取得した。今夏から米国で販売を開始する計画だ。WHILLの電動車いすはスタイリッシュなデザインと高い機能を兼ね備える。日本では最高時速6キロメートル、米国では同10キロメートルで走行可能。充電1回で20キロメートル走れる鉛蓄電池も搭載している。
 WHILLを創業したのは日産自動車、ソニー、オリンパスという大企業を飛び出した30代前半の若者3人だ。「100メートル先のコンビニに行くのを諦めてしまう」という車いすユーザーの言葉をきっかけに、健常者も「乗りたい」と思わせる全く新しいコンセプトの電動車いすを開発した。世界最大の車いす市場である米国で勝負に挑む3人だが、道のりは決して平坦ではなかった。日本で起業したが、なかなか製品開発や事業化が進まない。そこで2012年に米国に渡り、シリコンバレーのアパートの一室で黙々と開発を続けたという。
 シリコンバレーは世界最大の医療機器クラスターとして知られる。医療機器分野の新しいアイデア、技術を事業化するためのエコシステム(生態系)が整っている。医療機器に関するコンサルタント、エンジニア、薬事専門家、ベンチャーキャピタリストなどの人材も豊富で、製造受託会社、動物実験場、インキュベーション(孵化器)会社などインフラも無数にある。WHILLの創業者たちは、これらシリコンバレーの医療機器エコシステムをフルに活用することで、電動車いすの開発を加速し、4年半という短期間で、米国で医療機器の承認取得を成し遂げた。
 WHILLの成功事例は、日本発の革新的な医療機器を開発するうえで重要な示唆を与えてくれる。アイデア、技術自体は日本でも米国でも、さほど変わらない。ただ、そこにエコシステムがあるかどうかで成功確率が変わってくる。
 日米の医療機器開発に精通しているスタンフォード大学の池野文昭研究員は「太平洋を挟んだ日米医療機器エコシスムの構築」を提言している。日本の大企業や中小企業が持つ優れた技術、あるいは日本のベンチャー企業そのものをシリコンバレーに移し、腕利きのインキュベーション会社に育ててもらう。そして製品化、事業化した後に親会社などが買い取るという仕組みだ。日本発の革新的な医療機器を生み出すためには、このような国境を越えたオープンイノベーションが必要だろう。


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