日付検索

2016年5月の記事を読む
2016年4月の記事を読む
2016年3月の記事を読む
2016年2月の記事を読む
2016年1月の記事を読む
2015年12月の記事を読む
2015年11月の記事を読む
2015年10月の記事を読む
2015年9月の記事を読む
2015年8月の記事を読む
2015年7月の記事を読む
2015年6月の記事を読む
2015年5月の記事を読む
2015年4月の記事を読む
2015年3月の記事を読む
2015年2月の記事を読む
2015年1月の記事を読む
2014年12月の記事を読む
2014年11月の記事を読む
2014年10月の記事を読む
2014年9月の記事を読む
2014年8月の記事を読む
2014年7月の記事を読む
2014年6月の記事を読む
2014年5月の記事を読む
2014年4月の記事を読む
2014年3月の記事を読む
2014年2月の記事を読む
2014年1月の記事を読む
2013年12月の記事を読む
2013年11月の記事を読む
2013年10月の記事を読む
2013年9月の記事を読む
2013年8月の記事を読む
2013年7月の記事を読む
2013年6月の記事を読む
2013年5月の記事を読む
2013年4月の記事を読む
2013年3月の記事を読む
2013年2月の記事を読む
2013年1月の記事を読む
2012年12月の記事を読む
2012年11月の記事を読む
2012年10月の記事を読む
2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む

ニュースヘッドライン記事詳細

2016年05月20日 前へ 前へ次へ 次へ

世界の小規模農家に日本の技術を

 情報通信技術(ICT)により農業が大きく変わろうとしている。それはセンサーや人工衛星を使った「デジタル農業」ばかりではない。携帯電話やインターネットの活用で、これまで実地で行う以外なかった技術指導や普及活動が大幅に合理化できる。新たな技術の導入が遅れがちだった新興国などの小規模農家に、革新をもたらすことを期待したい。世界の農家の大半は農地が数ヘクタール程度と小規模であり、日本においても同様だ。ICTによって、これまで培ってきた技術を世界へ発信する土壌が整いつつある。
 世界銀行は先ごろ「デジタル技術は新興国の農業を一変させるか」と題する報告書を公表した。そのなかで「種子や栄養管理、病害虫防除に関する新しい技術が、必ずしも農家に届いていない」と指摘した。先進国との技術格差を埋めるのは簡単ではない。新興国では、現地農家に直接の技術指導が行われているが、コスト含め実施規模に限界がある。これをICTを通じた普及活動に切り替えれば、費用を大幅に抑制できる。
 報告書では、インドやエチオピアで実施された「デジタル・グリーン・プロジェクト」を紹介している。ソーシャルネットワークを通じて農家が専門家から助言を受ける仕組みで、両者の距離が縮まったことにより、新たな技術を導入する農家が従来手法の7倍と、大きく広がったそうだ。
 国連食糧農業機関(FAO)も小規模農家に注目している。世界で農地面積が50ヘクタールを超える超大規模農家は全体の1%に過ぎず、大半を小・中規模農家が占める。その多くが効果的なイノベーションシステムとうまく結びついておらず、革新を起こす能力やインセンティブを十分備えていないという。
 FAOは、2014年の食料農業白書において「低・中所得国の多くの小・中規模農家が、高い生産能力や市場へのアクセス、革新を起こす能力を持つことができれば、世界の食料安全保障、農村部の貧困削減に対して大きな貢献をもたらす」とし「そうした農家は、支えとなる農業革新システムを通して、世界農業の変化の担い手となり得る」と強調した。
 日本もまた、1ヘクタール前後の農地を経営する農家が最も多い。この間、農業人口の減少が続くなか、省力的で、かつ品質の高い農産物を育てる技術を培ってきた。とくに世界の農業人口の75%が居住するアジアに着目すれば、病害虫が発生しやすい気候など共通項が多い。ICT活用の進展が、日本の農業技術に対する潜在的な海外ニーズ発掘につながることを期待したい。


Copyright(c)2010 The Chemical Daily Co., Ltd.