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有機EL興隆 日系化学企業の底力 《5》 特徴生かし領域広げる
有機EL(エレクトロルミネッセンス)のアプリケーションはスマートフォンが先行し、ようやくテレビが浮上しつつある。そのほか時計型やメガネ型のウエアラブル端末に適用領域を広げているものの、液晶の市場規模には遠く及ばない。滑らかで美しい表示だけでなく、有機ELだけが持つ特徴を生かさなければならない。
有機ELの優位性の一つは柔軟性。積み重なった極薄の層に電流を流すことで自発光するためバックライトが不要。そのため基板はガラス以外にも樹脂が使え、折り曲げ可能なフレキシブルディスプレイを実現できる。
ジャパンディスプレイ(JDI)は、2018年度までに樹脂基板を用いたシート型の中小型ディスプレイを量産する。16年度の研究開発費は290億円。前期よりも57億円上積みし、実現への強い意志が感じられる。試作品は紙のように薄く、手帳の間に挟まれていた。それでいながらフルHDで高精細かつ高視野角。近未来的なデバイスに仕上がっていた。
*期待の樹脂基板*
新たな基板として期待される樹脂は化学メーカーの得意とするところ。ディスプレイメーカーへのソリューション提案に注力する三菱化学は、フレキシブルディスプレイにも知見を持つ。有機ELには樹脂基板が使えるといっても、ガラスからすぐに移行できるほど話は簡単ではない。当然、樹脂は耐熱性で劣る。基板の製造過程で熱をかければ変形してしまう。
「樹脂の耐熱性を上げるというアプローチがある一方、われわれはなるべく低い温度で基板を作製できるようなアプローチを進めている。顧客のプロセスとのすり合わせになるが、低温での高信頼性・堅牢性を実現するための素材や技術を持っている」(同社)。
*車載向けで課題*
一方、自動車への搭載も期待される。近年、車載ディスプレイ市場は年10%超で成長を続け「2020年には1兆円市場になる」(JDIの有賀修二社長)という。
ただし民生品よりも使用期間が長く、より高い信頼性や耐久性が求められる。いまだスマホのライフサイクル程度の寿命では自動車への採用は厳しい。また焼き付きの問題もある。車載ディスプレイはメーターの枠部分など同一の表示が長時間続くため、スマホに増して焼き付きしやすい。JDIやシャープ、三菱電機などは専ら液晶での開発を進めている。
その一方で出光興産は「ディスプレイで最も伸びているのは車載。当然、有機ELの搭載を見込んだ材料開発に力を入れている」。また「液晶よりも自由な形状が実現できる。曲面での表示が可能で視認性も向上する」と車載における有機ELのメリットを強調。耐熱性・耐久性・寿命を改善すべく、車載グレードの材料開発を進めている。ディスプレイメーカーも水面下では車載向け有機ELの開発に着手しているようだ。
*技術の壁解決へ*
このほか三菱化学と共同で有機EL事業を展開するパイオニアは、車内照明だけでなくテールランプなど外装部分への適用にも意欲的。さらに自動運転が普及すれば車内空間を楽しくするための演出が求められ、有機ELがその役割を担えるという。いずれも技術的ハードルは高い。しかし、その解決は日本の化学メーカーによるところが大きく、しばらくは内外のディスプレイメーカー、セットメーカーから熱い視線を集め続けそうだ。
(おわり)