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「油圧式」が復権みせる射出成形機
射出成形機市場で近年、油圧式が見直されている。電子機器受託生産(EMS)の世界大手などで、初期投資の軽減やメンテナンス費用抑制を狙いに、電気式をやめて油圧式に戻す傾向が強まっているものだ。
日本の射出成形機各社は、省エネルギー性能に優れる電気式に経営資源を集中し、製品開発を進めてきた。それにより精密制御部品であるプラスチック製コネクターなどハイエンド領域で独自ポジションを得ている。これに対して欧州や中国のメーカーは油圧式が大半。汎用プラ部品向けの海外勢、高機能プラ部品向けの日本勢という棲み分け分けがなされてきた。
しかしプラ部品を使用するセットメーカーでは、人件費が高騰し最終製品の価格競争が激化するなか、あらゆるコストの見直しを実施。射出成形機などの初期投資の抑制や、メンテナンス費用の節約を進めている。その結果、低価格でメンテナンスが簡単な油圧式射出成形機に再び日が当たっている。油圧式は電力消費が多いのが弱点だが、最近は電気式と遜色ない省エネ型も登場。温度変化に敏感という、もう一つの弱点も工場の空調完備でクリアできる。
ただ日系メーカーの大半は、すでに生産ラインを電気式に絞り、油圧式の方は撤去。油圧式に関する技術者も、いなくなりつつある。そのなか住友重機械工業では、2008年に買収した独デマーグ社において油圧式を生産しており、電気・油圧双方を展開できる。デマーグは昨年、中国・浙江省に新工場を建設し、中国およびアジア向けに生産を開始した。
東芝機械も、自社では油圧式を生産していないものの、インドのエンジニアリング大手から買収した工場(チェンナイ)で油圧式を生産し、北米市場などに供給している。日精樹脂工業は、日系各社が電気式に特化するなか、最後まで油圧式の生産ライン・技術者を守った。
一方、電気式に完全に特化したファナックは、EMSの要求に対応できず、難しい局面に立たされている。射出成形機ビジネスは、産業機械のなかでも競争が激しく、利益率は低いと言われる。このため電気式、油圧式と、異なるラインを保持するのは確かに現実的ではない。
日系メーカーは高機能だが高価格な射出成形機を売ろうとするが、投資判断するのは樹脂加工メーカーの側だ。この間、産業機械は電気式、電子制御といった「デジタル化」が進んだ。しかし時代の流れが変わり油圧式という「アナログ」が復権してきた。将来の顧客ニーズが、必ずしも先進的技術とは限らないことの一例である。