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2016年02月26日 前へ 前へ次へ 次へ

カースト差別なお残るインド社会

 インドの首都ニューデリーに隣接するハリヤナ州で、先週末からカースト制度を巡る抗議行動が激化し、死者19人を出す暴動に発展した。インド政府は治安部隊数千人を出動させて鎮圧したものの、道路封鎖などが一部続き、日系企業を含む工場や物流に支障が出ている。カーストによる差別は1950年に制定された憲法で禁止された。ただ数百年前の植民地時代に、土着の制度から差別のための制度へ改悪されたまま、今もインド社会に色濃く残っている。
 今回暴動を起こしたのは農業を生業としている比較的裕福な「ジャート」と呼ばれるカースト集団。州の人口の約4分の1を占める。インドでは少数の被差別カーストに対し、公務員の職や大学の入学枠を優先的に割り当てる制度がある。ジャートは、これによって自分たちの雇用機会や入学機会が奪われていると主張。デモを繰り広げるなか、高速道路の封鎖や商店の焼き討ち・略奪といった暴動に至った。22日までに少なくとも地元住民19人が死亡、150人以上が負傷した。一部の水道設備が破壊され、ニューデリーでは1000万人以上が水道を使えない状況に陥っている。
 22日には、州政府がデモ隊の要求を検討する委員会を設置した。これを受けてデモ主催者が参加者に対し、抗議活動を中止するよう要請。州政府は、次の州議会にジャートの採用枠・入学枠を割り当てる法案を出すと応じ、収束を探った。その後、暴動は一部地域を除き鎮静化したものの、幹線道路に今も封鎖された個所があるようだ。
 道路封鎖により工場の操業にも大きな影響が出ている。インド自動車最大手のマルチ・スズキは部品供給が受けられず、20日午後からマネサールとグルガオンの2工場を停止。23日午後に一部再開したが、1万台以上の生産機会が失われた計算だ。また日本カーバイド工業、アイシン精機および同社傘下のアドヴィックスがハリヤナ州ロータクに工場を持つが、いずれも操業を停止。同州バハダーガーにある横浜ゴムの工場も同様の事態を余儀なくされた。
 カーストは本来、肌の色や職業など様々な民族をグループ分けする土着の制度だった。しかし植民地時代に統治した欧州各国がカーストと名付け、差別を助長して支配に利用した。カーストそれ自体は人権侵害ではなく、属するコミュニティーのアイデンティティーだ。ただ被差別カーストが庇護を受けるのを悪用するケースもあるという。カーストを巡る差別・悪用を断つことができるのか。インドが経済成長を遂げるなか、国際的な課題として注視すべきだ。


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