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2015年11月19日 前へ 前へ次へ 次へ

地球深部探査船「ちきゅう」への期待

 世界最高の掘削能力(海底下7000メートル)を持つ地球深部探査船「ちきゅう」が就航10年目を迎えた。これまで国際深海科学掘削計画(IODP)の主力船として海底資源の探査や、巨大地震発生の仕組み、生命の起源、地球規模の環境変動の解明などで成果をあげてきた。とくに海洋開発は、資源の乏しいわが国にとって急務。現在、定期検査工事のためドック入りしているところだが、さらなる活躍を期待したい。
 ちきゅうは、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用する世界初のライザー式科学掘削船。船体中央にそびえる掘削やぐらからライザーパイプやドリルパイプを吊り下げ、先端の回転刃で固い岩盤を掘り進める。直径14センチメートルのパイプは最大1万メートルもの深さに到達する。
 掘削を行う間は潮の流れに逆らい、同じ位置に止まらなければならない。このため船底に取り付けた6基のアジマススラスター(主推進機器)で、常に船体の位置を調整。荒天でも半径12メートルの範囲を保持する。
 これまで巨大地震や津波の発生源とされるプレート境界断層の掘削、地質試料の採取、地殻変動の観測などを実施。南海トラフ地震の発生メカニズム解明に向けては、地震・津波観測監視システムによってリアルタイムでデータ取得に成功した。
 また沖縄トラフ伊平屋北熱水域の5地点を掘削し、海底下の熱水帯構造と熱水変質帯を見出した。熱水の作用によって生成された金属硫化物からなる多様な硫化鉱物が観察され、熱水鉱床の解明につながる科学的発見となった。
 青森県八戸市沖では、水深1180メートルの海底下から2466メートル掘削し、約2000万年以上の前の地層で、微生物群集が存在した痕跡を確認している。
 現在は人類初めてのマントル到達が目標だ。地球の全体積の80%を占めるマントルは、大陸移動や大規模な火山活動の原動力であり、環境変動の大きなカギを握る。ただ300度Cの高温下で使用する機器の開発などハードルは高い。月(地球からの距離38万キロメートル)へ行くよりもマントル(海底下約6キロメートル)までの方が道のりは険しいとさえ言われる。海洋技術の開発は重要性を増すばかり。10年間の蓄積を生かし確実に成果をモノにしてほしい。
 その一方で課題も指摘されている。ちきゅうの船体は三井造船の建造だが、内部の機器装置は海外品が多い。また当初の乗組員は100%外国人で、今も半数を占める。海洋開発・研究の加速に向け、国内における技術開発や人材育成に、もっと力が注がれるべきではないか。


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