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水素エネルギー社会構築 橘川武郎一橋大学教授に聞く
化学産業は重要プレーヤー
経産省が「水素エネルギーロードマップ」を策定し、トヨタ自動車が燃料電池自動車(FCV)を発売するなど、水素エネルギー普及に向けた取り組みが加速している。自治体の間でも東京都が「水素社会の実現に向けた東京戦略会議」を設置してプランをまとめるなど、独自の動きも現れている。同会議の座長を務め、エネルギー問題に詳しい一橋大学の橘川武郎教授に聞いた。
*他エネと相性いい*
-水素エネルギーの意義をどうみますか。
「CO2を排出しない、非常用電源として活用できる、高効率、というメリットはよく指摘されている。これらに加えて天然ガスなど他のエネルギーとの相性がいいことを強調したい。欧州では風力発電の余剰電力で水素を製造し、ガスパイプラインに水素を混入させて火力発電燃料に用いている。日本でも今後、原子力発電で廃炉が進み、仮に20ギガワット分がLNG(液化天然ガス)火力に置き換わると、十数カ所の火力発電が新設されることになる。2030年ごろにはガスパイプライン網が広がり、水素利用のインフラが出来上がる可能性がある。また、川崎重工業は褐炭からの水素液化を、千代田化工建設は原油増進回収法(EOR)と組み合わせた水素サプライチェーンを検討しており、水素は石炭や石油の新たな利用法を開拓することにつながる」
*自治体の動き評価*
-なぜ東京なのですか。
「東京都はFCV購入補助金を国とは別に支給するなど普及に熱心で、東京オリンピックで水素エネルギー普及に弾みをつけたいと考えている。何より美濃部、石原都政で示されたように、東京都には環境行政のDNAがある。政策を立案、実施するスタッフがいる。ただ、東京にはコンビナートがなく副生水素を持たないことは弱点だ。また、愛知や福岡など東京都と競う形で水素に積極姿勢をみせており、他の自治体にも同様の動きが広がっていることは評価できる」
-水素が本格的に普及し始めるのは30年以降といわれています。
「私見だが、30年度のエネルギーミックスは火力40%、再生エネ30%、コジェネ15%、原子力15%と予測している。水素はまだ数字にはならないレベル。FCVが話題を集めているが、FCVに必要な水素量はそれほど多くなく、本格的に普及しても海外から安価な水素を大量輸入するということにはならない。水素のサプライチェーンを確立するには、水素を大量消費する水素発電が実現しなくはならない。神戸で川崎重工業、岩谷産業、関西電力などが参加して水素混焼によるコジェネの技術実証が検討されているが、まだ規模が小さい。しかし電力各社は原発再稼働に熱心なうえ資金もなく、水素どころではないのだろう。海外ではGEなどが積極的で、水素発電の研究では日本は遅れを取っている」
*コンビナート活用*
-化学産業は水素エネルギー社会構築にどのような貢献ができますか。
「化学産業は重要なプレーヤーになれる可能性がある。たとえばメチルシクロヘキサン(MCH)の脱水素プロセスには約400度Cの熱が必要だ。コンビナートにはこの熱源がある。何よりコンビナートは大量のエネルギーを消費しており、水素も大量に副生、消費している。リファイナリーの再編はある程度進んでしまったので、今後は石化中心に再編が進むだろう。その過程で、水素の供給あるいは利用で化学産業が貢献できる分野が広がると期待している」
(加納修)