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連載3 震災とサプライチェーン MEK 需給環境が一変
東日本大震災では千葉コンビナートも大きな被害を受けた。丸善石油化学の千葉工場もその1つで、アルコールケトン製造装置の被災は各分野に大きな波紋を広げた。年産能力17万トンと国内最大の能力持つメチルエチルケトン(MEK)では、主に溶剤を使うさまざまな需要業界に影響。インキの原料となるジイソブチレン(DIB)では印刷業界で生産に支障をきたす懸念が生じた。丸善石化のアルコールケトン装置の復旧予定は来年6月と1年先。そうしたなか、出光興産がDIBへの参入を表明するなど新たな動きも出てきている。
※輸入が大幅に増加※
日本では丸善石化のほか東燃化学、出光興産の3社がMEKを生産。化学工業統計、貿易統計によると、昨年の生産量は26万トンで、その半分の13万トンがアジアを中心に輸出されていた。つまり、日本の内需は13万トン程度と推定され、残った分をアジアなどに輸出していた構造だ。
しかし、最大手の丸善石化が生産停止を余儀なくされたことで需給環境は大きく変わった。需要業界の危機感は貿易統計にも表れている。3月の輸入量は1423トンを記録、4月は4329トンと大幅な増加を示した。さらに、5月は8236トンと倍増の勢いだ。そのうち半分以上の約5300トンが中国から輸入されている。
※代替品に引き合い※
MEKの供給不足懸念に対して、他の製品で代替する動きもみられた。昭和電工が手掛ける環境対応型溶剤の酢酸ノルマルプロピル(NPAC)がその1つ。トルエンの代替として開発されたもので、高い安全性に加えて回収に適した特性が評価されている。大分コンビナートに年1万3000トン能力の設備を有しており、震災前は7割程度の稼働率だったが、4月ごろから引き合いが活発化しフル操業に移行。現在も需要は好調に推移しフル操業が続いている状況。
丸善石化のアルコールケトン装置の操業停止の影響はMEKにとどまらない。DIBは丸善石化が国内唯一のメーカーだけに、印刷インキ業界を大きく揺さぶった。DIBを原料にして作られるパラオクチルフェノール(POP)が、インキ性能を左右するロジン変性フェノール樹脂の原料となるためだ。MEKと同様にDIB、POPも4月以降、輸入が大幅に増加している。
※出光がDIB参入※
DIBでは出光興産がこのほど新規参入を発表。徳山製造所(山口県)のイソパラフィン系溶剤設備の一部を転用し、今年秋をめどに生産を開始する。能力は年9000トン。もともとアジア向けの需要を見込んで計画してきたが、丸善石化の被災を受けて当面は全量を国内に振り向ける。
丸善石化は6月2日、藤井シュン社長が会見しアルコールケトン装置を来年6月に復旧させると表明。ただ、それまでの1年間、代替品の動きを含めてMEKの市場環境がどうになっているかは分からない。藤井社長は「引き続き(ユーザーに)大事にしてもらえるかは未知数」としながらも、設備が老朽化していた点などを踏まえて「リニューアルしてパワーアップを図る。1つの転機としたい」としており、アジアのトップメーカーへの返り咲きに意欲をみせている。
【写真説明】
出光徳山
丸善石油化学の被災でMEKとともにDIBも生産を停止したが、出光興産が参入を表明、今秋から徳山製造所(写真)で生産を開始する