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連載2震災とサプライチェーン 化学品需給を追う
供給途絶回避へ行政も支援
同業者連携など調整図る
東日本大震災で影響を受けた部素材の供給を途絶させないためにはどうするか。経済産業省の化学課は震災発生当日の3月11日夕方から休日返上の24時間体制で、被災地に送る救援物資の調達と併せ、各社の被災状況などの情報収集に追われた。生産ができなくなった化学品のなかには、ライフラインの観点から極めて重要な品目も含まれていた。
※重曹で緊急の対応※
その1つが人工透析の溶液に使われる重炭酸ナトリウム(重曹)。最大手メーカーである旭硝子の千葉工場が被災により生産停止を余儀なくされた。人命にかかわるだけに代替供給が喫緊の課題として浮上。化学課は直ちに他のメーカーに増産を要請する一方、被災企業には顧客リストの提供を求めた。しかし、顧客リストの開示は独占禁止法に抵触する。このため公正取引委員会に事情を説明、公取委は16日に(1)実施期間を明確にすること(2)業界任せではなく経産省が主導することーを条件に、同業者間の連携による緊急対応を認めた。
結果的に、この顧客リストは開示しないですんだ。同課が厚生労働省に働きかけて、透析用(局方)グレード以外でも代用が可能な規制緩和が実施されたためだ。公取委はこの件で示した考え方をベースに、震災対応のための同業者間の供給調整についての公式見解をまとめて18日付で公表、その後の他の製品分野でも適用された。
※マイコンよりPP※
サプライチェーン問題が大きくクローズアップされた自動車用部材では、インスツルメントパネルやバンパーなどに使われるポリプロピレン(PP)の供給に影響が出る可能性が高まった。震災直後、自動車業界は「マイコンよりもPPの方に危機感を持っていた」(化学課)。マイコンと同様に、PPも顧客や車種ごとにカスタマイズされ、グレード数が膨大な数にのぼるためだ。経産省は当該企業に対し在庫の確認とともに、輸入対応、他社からの代替供給の可能性を打診。幸いにも顧客側は同一品を競合メーカーから並行購買しており、購買比率を変えることなどによって供給途絶を回避することができた。
※「ビジョン」に反映※
こうした企業や関連当局の連携による取り組みを踏まえ、経産省は化学業界において早期対応が求められる課題や新たに生じた課題、震災にともなう環境変化にどう対処するかの検討に着手。化学企業の経営者などで構成する「化学ビジョン研究会」が昨年4月にまとめた報告書のフォローアップを行うとともに、新たな課題への対応策を加えた緊急取りまとめを発表した。
そこでは「皮肉にも化学素材産業の果たしてきた役割の重要性が改めて認識された」と強調する一方、震災が招いたサプライチェーンの不安定さによって空洞化危機が高まったと指摘。サプライチェーン競争力の強化はもちろんのこと災害対応力の確保、空洞化対策などの対応策が示された。
災害対応力では、緊急時における代替生産の環境整備、ユーザーと連携した原料選択の柔軟性確保、グレード数の見直しなど今回の震災の経験を生かした対応策を提示。とくに緊急時の代替生産では独禁法上問題にならない行為の明確化などが盛り込まれた。これらの対応策の一部は、産業構造審議会の産業競争力部会の議論にも反映されている。
(随時掲載)