再評価されるASEANの魅力
ASEANの魅力が再認識されて久しい。約6億人の人口を持ち、中間層が増大し、消費力が増していることが背景にある▼少数民族を抱えるが、基本的には一枚岩の中国に比べて民族、宗教は多種多様、経済レベルはアジアトップ(一人当たりのGDP)から世界の最貧国まで。資源なき国もあり、豊富な天然資源に恵まれる国も存在する。その資源の有無が国の貧富に結びついていないところもASEANの面白さだ▼欧米、アジアの企業もASEANでの投資に積極姿勢をみせ始めている。ダウ・ケミカルが日本人社長をインドネシアに常駐させたのは、欧米企業の動きを端的に示すものだろう。タイでは日系化学企業による投資ブームが起こりつつある。石油化学でもシンガポールのダウンストリームで日系企業が存在感を増しそうだ▼だが、原料からの一貫体制で競争力を担保しようとする石油化学の上流では、韓国などに押されている。マレーシアでペトロナスが進めている計画には台湾勢力が絡む見通しだ。インドネシアでは韓国資本がクラッカー新設計画を打ち出している。経済開発が遅れている国に転じると、中国の存在感が増している。それを韓国が追っている▼戦後、築いてきたアジアでのアドバンテージをどう生かせるのか、日本企業にとっても正念場だ。