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「明日への対話」連載1 「 震災とサプライチェーン」
今年は世界化学年。化学産業は環境、エネルギー、食糧といった地球規模の課題解決に対する貢献が期待され、日本の化学各社も先端技術を駆使した取り組みを意欲的に推進している。一方、グローバル化への対応とともに、国内事業の構造改革も待ったなしだ。そうしたなか、三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長と、経営史やエネルギー産業論の第一人者である一橋大学大学院の橘川武郎教授の対談が実現した。東日本大震災が突きつけた課題、これからの化学産業の在り方、「KAITEKI化学」などをテーマに縦横無尽に語ってもらった。
(司会=田中四郎編集局長)
◆ ◆ ◆ ◆
- 本日のテーマは大きく4つです。「3月11日の大震災によるサプライチェーンの寸断と再構築の問題」「日本での持続的なモノづくり戦略と化学産業のあり方」「小林社長が提唱されているKAITEKI化学について」「世界化学年における日本の化学産業からの情報発信」です。それでは、よろしくお願いいたします。
橘川 まずは震災の話ですが、三菱ケミカルホールディングス(MCHC)グループの被害状況をお聞かせ願えますか。

小林 被害が大きかったのは、まず小名浜にある日本化成です。津波で工場の半分以上が浸水し、硝酸など無機系のプラントがかなりやられました。一方、鹿島の三菱化学は自社の生産設備はあまりやられていないんですが、バースの被害が大きかったですし、コンビナート内では津波に加えて液状化現象なども発生し、多くの企業に影響が出ました。また、ビスフェノールAやポリプロピレンなどが(緊急停止により)工程内で製品が固化してしまい、それを取り除く作業やナフサクラッカーがコーキング(炭素が付着)してしまったのを戻すのにも相当なエネルギーがかかりました。
橘川 再稼働のスケジュールは。
小林 2つあるエチレンプラントのうち、2号機は5月20日に原料ナフサを投入し、同日の夕方ぐらいにはエチレン製品が出てくる予定です(注・予定通り5月20日にスタート)。1号機は5月中旬から定修に入っておりまして、定修明けの6月末に稼働を開始し、7月から完全に正常に戻る見通しです。
橘川 相当早い復旧のように感じますが。
小林 実は2007年12月21日に、同じ鹿島の2号機エチレン設備で4名の方を亡くすという火災事故がありました。そのときの苦い経験から学んだことにより、火災もなく怪我人も一人も出さず、整斉と再稼働に入ることができました。また、サプライチェーンについては顧客情報を含めた精緻なリストを当時作りまして、これをもとに韓国、台湾、タイ、中東など、海外で代替できる拠点に直ちに応援の要請に走りました。もちろん、国内でも同業他社に応援をお願いしました。そういう意味では今回、現時点の在庫レベルではサプライチェーンに対して致命的なダメージをなんとか回避できている状態です。
橘川 鹿島は港が痛んでいるということですが。
小林 津波により船が港にぶつかり、大きな被害が出ました。一番の律速は海水を冷却水として使用するため、各プラントに配管でつないでいるんですが、そこのポンプが浸水してやられたことですね。
橘川 ナフサクラッカーの話が出ましたが、水島で旭化成さんと提携し、設備を縮小するという話もありました。これには影響が出るのですか。
小林 「水島での30%能力縮小の設備対応はスケジュール通り行いますが、フレキシブルに対応します。もし需要が違ったかたちであるなら戻せるようになっています。
今はとにかく復旧しようと。あとは世界の情勢、市況、原油の状況などをみながら、東と西の間で、あるいは全体としてどう調整するのか。水島1基化という話はオープンにしていますが、鹿島をどうするのかとか、そういう作業に入っていくだろうと。それも石油精製とからめた最適化になると思います。
(続く)
★ 写真説明 左・三菱ケミカルホールディングス 小林喜光社長 右・一橋大学大学院 橘川武郎教授