産業装置メーカーのアイテック(大阪府堺市)は、超臨界水粒子合成法によるナノ粒子を事業化する。新たに立方体型をした10ナノメートル前後の均一な酸化セリウム粒子の生産技術を確立し、サンプルワークを開始したもの。同製造法は特定の結晶面に有機修飾することが可能であり、用途に応じたハイブリッド粒子も提供できる。同社では、自動車用触媒や高酸素吸蔵能用材料といった用途での採用を見込んでいる。
超臨界水粒子合成法は東北大学の阿尻雅文教授が開発したもので、超臨界水に金属塩水溶液を混合し、超臨界状態にすることで金属酸化物をナノ粒子として析出する製造法。生成したナノ粒子に油などの修飾剤溶液を超臨界状態で混合することで、粒子表面を有機修飾することが可能であり、凝集防止をはじめ熱伝導率や屈折率といった特性を改善することができる。
同社では、この技術を利用してナノ粒子を連続式プロセスにより合成する各種製造装置を展開中。同プロセスは、粉砕法に対して連続かつ高速な粒子合成を可能としているほか、凝集のない結晶化度の高い粒子の合成や有機修飾したナノ粒子の合成ができるのが特徴であり、すでに研究機関などに採用されている。
サンプルワークを開始した酸化セリウムのナノ粒子も同製造法により開発したもの。合成条件を調整することで粒子サイズ10ナノメートル±3ナノメートルの均一な立方体を実現しており、表面積が大きく有機修飾できることから触媒をはじめとした機能性材料などでの用途展開を見込んでいる。サンプルは1グラム?1キログラム(固形量)で提供可能であり、形状は粉末もしくはトルエン溶液となっている。
同製造法は、セリウム以外にもジルコニアやチタン、亜鉛、ホウ素といった多様な材料に応用可能であり今後の展開が注目される。

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