カネカは8日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で炭素繊維強化複合材料(CFRP)向けの熱硬化型イミド樹脂を開発したと発表した。航空・宇宙分野で耐熱性能が必要な金属部品の代替を狙う。CFRPを製造する際、従来はボイド(空洞)ができるなど機械強度に課題があったが、新規イミド樹脂は溶剤に対する溶解性を改善、高耐熱性と高靱性を発揮する。
ポリイミド(PI)を母材とする高耐熱性炭素繊維複合材料の製造は、中間体材料として炭素繊維に熱硬化前のイミドオリゴマー樹脂を被覆したシート状のプリプレグを作成、これを裁断した後に複数枚積層して加圧下で加熱(熱硬化)して製造される。
従来のイミドオリゴマー樹脂は溶剤への溶解性が低く、製造した複合材料の中に含まれる熱硬化させたPI樹脂量が不足し、十分な機械強度を発現することが困難だった。そのため、イミドオリゴマーを合成する際の中間体である高い溶剤溶解性を持つアミド酸オリゴマーを用いるが、複合材料成形時にアミド酸オリゴマーからイミドオリゴマーへと変換される反応の際、副生成物として発生する水分子が複合材料中に空隙として残存しやすく機械強度を低下させる課題があった。
同社はPIの分子設計・合成技術をベースに、2007年からJAXAと共同で新規熱硬化型イミド樹脂を開発、溶剤溶解性を大幅に改善した。複合材料の製造を容易にするほか、370度C以上の耐熱性と高い靱性を持つ。この樹脂設計技術を生かし、樹脂注入成形法(RTM法)への適用も可能とした。すでにJAXA内で適用に向けた評価試験を開始している。

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