クレハグループの切削材料メーカーである日本エクストロン(本社・東京都大田区)は、各種プラスチック素材を用いた樹脂メーカーやコンパウンダー、エンドユーザー向け試作事業の拡大に拍車をかける。汎用樹脂からスーパーエンプラまであらゆる樹脂を、厚物の板材や丸棒、厚肉管材(ホローバー)などの切削材料として固化押出できることを強みとして、付加価値の取れる事業へと軸足を移していく。試作関連の売上高比率は現在20%弱だが、2015年までに30%へ引き上げる方針。
同社はもともと独立系の企業だが、03年にクレハが30%出資して以降、段階的に比率を引き上げており、現在はクレハが77・5%出資する連結子会社となっている。あらゆる樹脂材料を固化押出できる世界でも有数の切削材料メーカーであるとともに、クレハグループの一員であることも強み。同社原料を用いた特殊コンパウンドで市場評価を高めており、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)などクレハ材料の使用比率が近年、急速に高まっている。
クレハの連結子会社となってからは、製造プロセスの改善に本腰を入れて取り組んでいる。押出の前工程の改良によって、樹脂の流動性を改善。PPSなどのエンプラ素材でフローマーク(筋状の模様)の出現を大幅に抑制することに成功した。
切削材料は、樹脂やコンパウンドの新グレード開発や、その顧客の用途開拓において、金型投資することなく高密度な成形品を試作できることが特徴。低温で加工できる樹脂なら切削材料以外の手法もあるが、大抵の樹脂製品の試作に最適な手法という。樹脂メーカーやコンパウンダーが開発した新規グレードを固化押出するとともに切削加工まで行うことで、顧客の用途開拓のスピードアップに貢献する。
試作以外の加工事業についても拡大するため、今年9月にNC旋盤を増強した。これまでも、がん治療用の治具や老朽化した橋の補強部材などとしてポリエチレン(PE)加工品が継続採用されており、ポリアセタール(POM)でも海洋調査用のブイなどに実績を持つ。金型投資を必要とする射出成形に向かない少量生産品や、標準寸法で最大300ミリメートル厚という固化押出ならではの圧肉成形品の特徴を生かせる用途を開拓していく。

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