鋳造メーカーのコイワイ(本社・神奈川県秦野市)は、独自製法による中空一体型大型鋳造部品の本格展開に乗り出す。低圧鋳造プロセスによる同製法は、独自の金型技術により鋳造法では不可能な閉殻構造を世界で初めて実現した。急速冷却による強度アップと併せて大型部品の軽量化が可能であり、二輪車(排気量1000cc)のアルミ製タンクフレームでは60%の重量軽減を達成している。同社では、金型の設計・製造を含む大幅な短納期を実現しており車体軽量化技術として普及を目指す。
近年、自動車の低燃費化ニーズの高まりを背景に車体軽量化の取り組みが活発化している。とくにハイブリッド車や電気自動車などの次世代環境車においてはモーターやバッテリーなどの搭載で車重が増加するほか、エネルギー損失の割合もガソリン車がエンジンの熱損失が7割を占めるのに対し、次世代環境車では転がり抵抗など車重が影響する部分の割合が大きく、さらなる軽量化を可能とする新技術の開発が求められている。
アルミ鋳造品は、軽量化を目的に鉄鋼部品を代替するかたちで採用が拡大しており、日産自動車の電気自動車「リーフ」でもモーターハウジングやリア・フロントカバー、電装ボックスなどにアルミ鋳造品が採用されている。しかし、既存品は製法上の制約から開構造となっており、強度を確保するために肉厚化やリブ設置による重量増が避けられない。
同社が開発した新鋳造法は、積層法による砂型を中子とすることで閉殻構造を実現するもので、部品の中空化により2・5ミリメートルの薄肉化が可能。金型も同砂型技術の応用により任意の形状でウォータージャケットを設けられるため、肉厚部分や強度が必要な部分を効率的に冷却することができる。また、一体成形により強度・外観形状に優れるほか、金型温度が150度Cと従来の200?250度Cに対して大幅に低いのが特徴。同技術によるタンクフレームは、市販品の11・4キログラムに対して4・6キログラムと大幅な軽量化を実現している。
実用化にあたり製造設備を開発しており、3000トンクラスのダイカストマシンと比較して設備費を2分の1?3分の1に低減する一方、生産サイクルタイムは180秒と同等の生産性を実現した。また、独自の金型製造技術などによって納期もこれまでの半年以上から1?2カ月に短縮した。
今後、同社では新技術の優位性を積極的にPRすることで採用につなげていく考えだ。

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