神戸製鋼所は、金型表面の耐酸化性を高めて自動車向け高張力鋼板(ハイテン)の成形性を向上するコーティング技術を開発した。窒化チタンにアルミを加えて強度を上げ、さらにシリコンを付与して耐酸化性を向上。これをコーティング膜に混合することで、金型の耐酸化性を高めることに成功した。同社は成形時など関連技術の開発を進め、自動車分野におけるハイテンの採用拡大を推進する方針。
ハイテンは、高張力化によって通常の鋼板より板厚を薄くできる。自動車の車体にはボディー部品やシート部品、バンパー、ドアインパクトビームなどとして採用されている。引っ張り強度340メガパスカル以上でハイテンとされるが、近年では超高張力鋼板といわれる980メガパスカル級の採用が拡大している。鉄鋼各社はハイテンの素材や製造技術の開発に力を入れており、同社でも素材開発はもとより加工性を高める周辺技術開発についても積極的に取り組んでいる。
開発した技術は、金型の表面にコーティングする膜の耐酸化性を高めるもの。強度が高いハイテンをプレス成形すると表面温度が高くなり、金型が酸化摩耗しやすいという課題があった。今回、独自のコーティング膜を開発することで金型の耐久性を高めることに成功。これによりハイテンを使用したプレス成型品の生産性向上を可能とした。
同社では、このほかにもハイテンの利用技術として溶接性の向上や耐腐食性を高める技術の開発を進めている。燃費や二酸化炭素(CO2)排出に関する規制が強まるなか車体の軽量化につながるハイテンに対するニーズが高まっており、周辺技術を拡充してハイテンの適用性を向上する。

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