日産自動車、撥水・親水性両立のコート液開発、シート黒染み簡単除去

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 日産自動車は、自動車シートの汚れ除去性を向上する新コーティング技術を実用化した。新たに撥水性と親水性という相反する特性を併せ持つ布地表皮材用コート液を開発。飲料などの染み込みを抑制しつつ、これまで拭き取りが困難だった黒染み(皮脂汚れ)を水拭きにより落としやすくした。「布地の触感を損なわずに実用に耐え得る耐久性を実現している」(材料技術部 車両先行材料開発グループ・小暮成夫氏)ことから、国内外を問わず適用可能な車種に対して適用する計画。

 同社は環境、安全、ダイナミック・パフォーマンス、ライフ・オン・ボード(LOB)の4つを戦略技術的領域と位置付け、独自技術の研究開発を推進中。このうちLOBは車に乗り込むところから降りるまでのあらゆる場面を対象としたもので、とくに運転しやすいコックピット、快適なキャビン、インテリアの上質な造りに焦点を当て、新技術の開発に取り組んでいる。
 近年、「自動車の平均寿命が長くなり、内装に明度の高い色の採用が進む」(同)なか、車内をきれいに保ちたいという市場ニーズが高まっている。自動車シートの防汚性向上については、1990年代から表面に撥水加工した布地シートが実用化されているが、皮脂汚れを簡単に落とすことは難しかった。
 新開発のコーティング剤は、親水基を有する薬剤と撥水基を有する薬剤の両方に含有させた親水基の凝集エネルギーを利用して混合。これを布地にコーティングし、150度Cで乾燥することで表面に「空気に馴染みやすい撥水基が析出」(同)し、内面に親水基を有する層が形成される。表面の撥水層により飲料などの染み込みを抑制する一方、皮脂汚れに対しては内面に水分が入り込むことで親水基が励起し、汚れを浮き立たせることで拭き取りやすくする。
 布地表皮材として使用されるポリエステルなどの風合いを損なわずに、汚れ除去性を向上できる。新コーティング技術を施した布地表皮材を使ったシートは、昨年発売の新型セレナで「イージークリーンシート」として実用化している。同社は自社製品での展開のほか、要請があれば技術の外販も検討していく。

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このページは、web staffが2011年8月10日 16:05に書いたブログ記事です。

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