東京工業大学は、車体軽量化を目的に機械的接合法(メカニカルクリンチ)の適用拡大を推進する。アルミ合金など軽合金材料と鋼板の接合法として、継手形状の改善や材料間摩擦力の増加といった独自の高強度化技術との併用を提案するもの。メカニカルクリンチはリベットなどの副材料が不要であり、生産性が高く低コストかつリサイクル性に優れているのが特徴。同接合法の欠点である強度不足を補うことで、軽合金材料の採用促進につなげる考え。
近年の軽量化ニーズの高まりを背景に、自動車材料におけるアルミニウム合金やマグネシウム合金の採用機運が高まっている。しかし、これら軽合金材料は骨格部材に使用される鋼板との接合性が低く、車体組立工程で一般的に採用されているスポット溶接では接合できない。
メカニカルクリンチは、上板と下板が互いに噛み合う形状にプレス成形することで機械的に接合する方法。多点を同時に接合でき、溶融過程をともなわないといった利点を有する。すでに軽合金材料の接合方法として利用されているが、セルフピアスリベットや摩擦かく拌接合といった高価で複雑な方法との併用が必要だった。
同大学が開発した高強度薄板接合技術は、メカニカルクリンチに各種高強度化技術を適用するもの。継手形状の改善は予備加工により下板に空間を設け、より多くの材料が流入しやすくする方法。最適な予備加工位置と深さにより従来比60%増の高強度化が可能だ。また、材料間摩擦力の増加による高強度化技術は、摩擦力の増加が剥離強度の向上に効果があることを応用した。具体的には硬質粒子を接合界面に塗布し、摩擦抵抗を加させることで40-50%の剥離強度向上を実現した。
また、これ以外にも超音波応力振動による高強度化を技術を提案している。同技術は超音波振動体の節となる位置に被加工材を配置し、圧縮と引っ張りを高速で繰り返す方法。同手法により特殊な渦状の材料流動を発現させて材料を一体化するもので、剥離強度を60%向上することに成功している。

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