日信化学、塩ビ系エマルジョンで自動車分野に攻勢、難燃剤使用を低減

| コメント(0) | トラックバック(0)

 信越化学工業グループの日信化学工業(本社・福井県越前市)は、塩化ビニル系エマルジョンで国内外の自動車部品メーカーに攻勢をかける。エマルジョン自体が難燃性を持つため、高騰が続く難燃剤の使用量を大幅低減し、コストアップを抑えられる繊維加工剤として、カーシートをはじめとした自動車内装材向けに提案を強める方針。塩ビレザー向け接着剤や建材向けコーティング材料などの既存用途での拡販も並行的に推し進め、3年後に販売量を倍増の1万トンに引き上げる計画だ。

 日信化学工業は、塩ビ系、酢酸ビニル系、アクリル系といった各種エマルジョンを「ビニブラン」の商標で展開している。なかでも塩ビ系はグループ会社で原料の塩ビモノマーや酢ビモノマーを生産していることを武器に、国内唯一のメーカーとして国内市場で圧倒的なシェアを押さえている。
 塩ビ系ビニブランは、乳化重合により合成される塩ビ?アクリル酸エステル共重合エマルジョン。水を媒体とし、有機溶剤を使用しない。しかも、「汎用樹脂のなかで例外的ともいえる難燃性の樹脂」(同社)であり、かつ樹脂の硬さや粘度・粘性を自由に変えることができ、保型性を有する。耐可塑剤性があり、可塑剤を含有した軟質塩ビシートなどへもコーティングできる。
 近年、アンチモン系やデカブロ系の難燃剤が異常な高騰に加えて、法的規制や調達リスクも顕在化するなか、塩ビ系エマルジョンの持つ難燃性への評価は高まっている。同社によると、繊維加工剤として塩ビ系エマルジョンを使用すると、アクリル系に比べて難燃剤の使用量を半減できる。空調フィルターなどの用途では、要求水準によって難燃剤が不要になるケースもあるという。市場では塩ビ樹脂を再評価する動きが強まっているため、この機会に塩ビ系エマルジョンの市場を一挙に広げたい考え。
 自動車関連では、すでに塩ビレザー向けの接着剤としてほぼ100%シェアを保有しており、さらにカーシートや天井材の難燃バッキング(裏面塗布加工)剤、フロアマット裏打ち材の難燃加工用などを重点ターゲットとして、採用拡大につなげる考え。自動車以外でも、難燃性能が求められるカーテンや木材といった住宅・建材関連、各種フィルター向けでも販売を強化していく方針。現在の販路は国内向けが圧倒的に多いが、今後は海外市場にも展開を強めていく。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://27.34.136.204/cmt/mt-tb.cgi/2216

コメントする

このブログ記事について

このページは、web staffが2011年5月30日 21:09に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「東海ゴム、放熱発泡ウレタンの用途開拓推進、シリコン系材料を代替 」です。

次のブログ記事は「BMW、量産車でCFRP採用拡大、カーボンならではの車体開発 」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。