三菱化学、車体に直接塗布する有機太陽電池、EV向け補助電源に提案

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 三菱化学は、自動車ボディーに直接塗布する有機太陽電池(OPV)について、2015年以降の採用を目指し、電気自動車(EV)向けに提案していく。補助電源としてEVの走行距離延長に寄与するほか、万一、バッテリー切れでEVが立ち往生しても、OPVで充電し近くの充電ステーションに自力走行できる。同社はOPVのさらなる変換効率向上などを図りながら、需要家の塗装ラインに入り込むビジネスモデルも視野に、提案活動を強化していく。

EVは、世界の自動車メーカー各社が、次世代環境車の主役の1つとして開発・上市にしのぎを削っており、国や自治体もバッテリーの充電ステーションなど、普及に向けたインフラ整備計画を推進中。ただ、EVは充電1回当たりの走行距離がガソリン車などと比較して短いほか、電気は容易に持ち運べないため、走行中にバッテリーが切れるとリスクが高いという弱点がある。
 その弱点を補うため、自動車のボディーに太陽電池を設置し、補助電源として活用するアイデアはあった。しかし、従来の結晶型太陽電池はもちろん、次世代型であるシート状の薄膜太陽電池でも、自動車ボディーの3次元曲面に追従するのは困難だった。
 このため三菱化学は、塗布型のOPVをEV用の補助電源装置として提案していくもの。この一環として、今月18?20日にパシフィコ横浜で開催された『人とくるまのテクノロジー展』でコンセプトカーを展示し、その性能などを紹介した。
 同社のOPVをEVのボディーに5平方メートル設置した場合、変換効率10%、1キロワット時の燃費10キロメートルを前提に試算すれば、年間換算で3260キロメートルの走行延長が可能となる。また、万一のバッテリー切れでも、2時間ほどの充電時間があれば数キロ程度の走行が可能となり、近くの充電ステーションまで移動できるという。
 三菱化学は、結晶シリコン系の太陽電池とはまったく異なる、塗布型のOPVを世界で初めて開発。塗布する有機半導体の膜厚はナノレベルと極めて薄く、シリコン系太陽電池と比べて大幅な軽量化を実現できる。すでにOPVの普及に向け、「GIOA(ジオア)」ブランドを立ち上げ、フレキシブルなシート型太陽電池の市場展開に乗り出している。
 ボディーに直接OPVを塗布するEV向けの展開では、極めて薄い有機半導体の塗装に対する知見が必要なことから、自動車メーカーとの密接な情報交換が必要となる。このため、三菱化学が自ら自動車メーカーの塗装ラインに入り込んで塗装を請け負うモデルなども選択肢にあるとしており、今後の展開が注目される。

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このページは、web staffが2011年5月24日 19:56に書いたブログ記事です。

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