クレハエラストマー(東洋紡グループ)は、同社の超極薄ゴムシート「ぺらぺら君」の燃料電池ガスケットの本格的な提案活動を推進する。燃料電池の実用化を見据え、量産化に向けた品質改良やコスト低減も推進しながら、大学や自動車メーカーなど燃料電池の研究開発機関への働きかけを強める。
クレハエラストマーのぺらぺら君は、各種エンプラフィルムとゴムとを一体成形したハイブリッド超極薄ゴムシート。エンプラフィルムとの一体化により、寸法精度向上やコシの付与のほか、耐熱性、導電性などの特性を与えることで、自動車部品、情報電子材料、エネルギー関連材料などで用途を広げている。公差はプラスマイナス10%と高精度を実現。
このうち燃料電池ガスケットは、固体高分子型燃料電池(PEFC)用に開発したもの。PET、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)などを基材とし、両面にシリコーンゴムやEPDMゴムを一体成形した3層構造となっている。厚みは0・15?0・30ミリメートルで対応可能。基材にフィルムを使用することでコシがあり取り扱いしやすく、また両面ゴム層であるためシール性に優れる。
PEFCは開発段階であるため、一般的に電解質膜・電極接合体(MEA)の厚さが均一でないことが多いという。このため接合部であるガスケットには、130?140マイクロメートルの間で10マイクロメートル単位での厚みの精度と、シール性が必要となる。金型成形では対応が困難になるが、同社製品は打ち抜き加工であるため柔軟に対応ができる。
同社は、ぺらぺら君を10年以上にわたって販売している。当初から特性を生かして、とくに燃料電池ガスケットとして開発を進めていた。2003年ごろに財団法人・日本自動車研究所(JARI)の標準セルの標準ガスケットとして採用。以降、大学や自動車メーカー、食品メーカーなどの研究機関のPEFCの試作機として採用されている。
同社は今後、燃料電池自動車や家庭用コージェネシステム、パソコンや携帯電話での実用が期待されるPEFCでの採用拡大を目指し、研究機関などへの提案活動をさらに積極化していく。現在、主に東洋紡の販売ルートでの販売活動、展示会への出展を進めている。ゴムを薄く加工し燃料電池部材として使用するのは世界的にみると珍しく、韓国や中国、台湾、欧州など海外からの問い合わせも増えているという。

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