宇部興産は2012年度めどにリチウムイオン2次電池(LiB)部材の売り上げ倍増を目指す。このためにグループのもつ様々の製品や技術をLiB向けにカスタマイズし、差別化を図っていく。主力製品である電解液とセパレーターのほか、バインダーの開発も進める。欧州拠点を通して米市場を開拓するなど、事業拡大戦略をグローバルに進める。
宇部興産は今月、LiBや燃料電池などの電池事業を効率的に展開するため、組織を刷新。動きの激しいLiB大手の要求に応えようと、宇部工場内に先端エナジーマテリアル開発センターも約50人体制で発足している。
この開発センターでは評価用にLiBの試作も行うが、すべての部材を自作するなど、徹底して機能を追求する。電解液は、最後発ながら添加剤での差別化が奏功して世界シェア約25%を占めるまでになったが、今後は正極電位5ボルトへの対応を図る。中長期的に電解質の固体化にも取り組む。
また欧州市場開拓のためにスペイン拠点(ウベケミカルヨーロッパR&Dセンター)に電解液の調合設備などを導入し、現地ニーズに即した開発を進める方針。日本から離れた欧州だけに現地化することで開発効率を高められる。また米市場向けの開発業務も距離的に近いスペインからの支援を考えている。
一方セパレーターは車載向けの塗布系品を開発するために日立マクセルとの協業を決めた。これは塗布技術の開発期間を協業によって短縮したものだが、セパレーターに限らず重要な技術をもつ企業との提携は今後もあり得るという。
正負極用バインダーの開発も手掛ける同社だが基幹4材料に限らず、幅広く関連材料を開発する方針。グループがもつ樹脂技術なども開発センターでLiB向けにカスタマイズしていく。飛び抜けた機能を備えた部材を製品化することで電解液同様にシェア拡大を目指す。事業規模も年度には倍増を計画している。

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