ダイカストメーカーのアーレスティは、自動車のマルチマテリアル化に対応した新ダイカスト技術を開発した。この技術はアルミダイカストに鋼板を接合子として一体化するもので、骨格部材に使用される鋼材とスポット溶接で接合できるのが特徴。ダイカスト部品と接合子は、独自の複合化技術によりスポット溶接部分を上回る接合強度で一体化しており、骨格部材や足回り部品へのアルミダイカストの適用が可能となる。同社では、新たなアルミ化手段として新技術の採用を目指す。
自動車では、以前から素材置換による車体軽量化の手段として部品のアルミ化が進められており、すでにフードやバンパーといったパネル材をはじめエンジン回りなどでダイカスト部品が採用されている。しかし、骨格部材では物性面の違いやアルミの酸化しやすさ、さらには電食といった点から主材料である鋼材との溶接が難しいといった課題がある。すでに溶接技術や物理的接合方法などが提案されているが、自動車の組み立てラインに専用装置が必要となることなどから採用が進んでいないのが実情。
新開発のダイカスト技術「マルチメタルハイブリッドダイカスト」は、ダイカスト中に接合子となる鋼板を埋め込み、スポット溶接を可能とするもの。鋼板に亜鉛メッキ鋼板を使用することで、アルミと鋼材の接合強度の確保と電食防止を実現しており、接合子の埋設部分に穴を開けて母材のアルミ合金で包むことで信頼性を高めている。破壊試験では、スポット溶接個所や接合子の亜鉛メッキ鋼板を上回る接合強度を確認している。
リーマン・ショック以降、自動車産業ではコスト低減ニーズが高まる一方、低燃費化についてはハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)といった次世代環境車への開発シフトによりアルミ化の取り組みが下火になっていた。
しかし、普及とともに次世代環境車においても、原価低減や航続性能の向上を目的に軽量化ニーズが高まっており、ここにきてアルミ化の取り組みが活発化してきている。
ダイカストと接合子の一体化自体は難しい技術ではないので、同技術をベースにAピラーやストラットドームといった構造部材をはじめ、骨格部材の継ぎ手部分などへのアルミダイカストの適用を推進していく。

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