材料系開発会社・イノアック技術研究所(神奈川県秦野市)は、独自の配合技術を活用して自動車用ゴム製品の高機能化を推進する。カーボンナノチューブ(CNT)配合による高温耐熱性などの向上により、ラジエーターホースなどの薄肉・軽量化を提案するもの。また、補強材に天然無機質資源・クレイを採用したゴムコンパウンドでは、転がり抵抗およびウエットグリップ性能の向上と低比重化を実現。自動車用低燃費タイヤやスポーツサイクル用での実用化を見込む。同社では、独自技術をベースに自動車の環境性能向上をサポートしていく。
イノアック技術研究所は、各種高分子材料の開発およびその用途開拓を主事業とするイノアック・コーポレーションのグループ会社。CNTでは、北海道大学の古月文志教授と共同で開発した分散液をベースに、導電性ウレタンフォームや樹脂成形品、ポリマー素材にCNTを配合したゴムなどの素材開発に取り組んでいる。
自動車用ホース類では、CNT配合によりゴムの高温耐熱性や耐油性の向上による薄肉化とフィラー低減による低比重化(軽量化)を提案する。EPDMの場合、同等の硬度を実現するのにカーボンブラックのみに比べて比重が1・20グラム/立方センチメートルから1・10グラム/立方センチメートルに低減できるほか、ホースの肉厚も5ミリから4ミリへ20%の薄肉化が可能。その特徴からラジエーターホースやエアクリーナーホース、フューエルホース(NBR使用)などの軽量化用途での採用を見込む。
一方、ナノクレイコンポジットタイヤは、カーボンブラックやシリカの代替として水ケイ酸アルミニウムなどを含むクレイを配合したもの。クレイは数%配合で高強度化できるといった特徴を持つが、ポリマー中で層状に凝集してしまい均一に分散させることが難しかった。今回、独自技術により均一分散化に成功したもので、シリカ配合に対して転がり抵抗およびウエットグリップ性能で約10%の改善と1割程度の低比重化を実現している。同社では、次世代低燃費タイヤのゴムコンパウンドとしての需要を見込む。

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