住友電気工業は、次世代自動車用ハーネス製品で攻勢をかける。低圧系では、他社に先駆けて実車搭載されたアルミハーネスの適用個所や採用車種の拡大を推進し、低圧系アルミハーネスでのデファクトスタンダード化を目指す。一方、高圧系では独自開発したパイプシールドハーネスの拡販を推進する。同製品は外装材にアルミパイプを用いたもので、樹脂プロテクターに対して生産性などに優れる。同社では、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)の生産拡大を背景に同製品の普及促進を図る考え。
現在、自動車には1台当たり20?30キログラムのワイヤーハーネスが搭載されており、ハーネス重量の60%以上を電線が占める。車体軽量化を目指し、従来の銅線から通信系では光ファイバーへの転換が、動力系についてはアルミ線への置き換えが課題となっている。
住友電工が普及を目指す低圧系ワイヤーハーネスは、撚線構造の細物アルミ電線を採用したもの。コストおよび品質で従来品と同等の性能を実現しており、昨年発売されたトヨタ自動車の新型「ラクティス」のドア周りに採用されている。すでに新車開発においてハーネスのアルミ化は検討項目の1つとなっており、15年にはハーネス全体の2割程度がアルミ製に置き換わるとの見方もある。
同社では、素材からの一貫開発体制をベースに、電線素材のアルミ合金開発や端子構造・かしめ技術のさらなる向上に取り組む一方、14年モデルをターゲットに採用車種の拡大やインパネ周りなどへの展開を目指す。
パイプシールドハーネスは、車両後部のインバーターと前部エンジンルーム内のモーター間を結ぶ高圧ハーネスを飛び石から保護する機能を有する。アルミ製の長尺パイプに電線を通して、複雑な3次元形状を曲げ加工により成形するため、金型を必要とする樹脂プロテクターに対して成形自由度が高いのが特徴。また車体への取り付けが容易なほか、アルミ化による放熱性向上で電線径を細くできるといった利点がある。すでにホンダのHVなどに搭載されており、その特徴を生かして採用拡大に向けた取り組みを積極化していく方針。
同社では、通信系においても光ファイバーへの転換が今年から本格化してくるとみており、素材からの一貫開発を強みに、次世代製品の取り組みを強化していく。

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