ヘガネス・ジャパン、高強度化で用途開拓、粉末焼結部品

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 ヘガネス・ジャパンは、粉末焼結部品の高強度化を推進する。自動車用ミッションギアやコンロッドなど高性能構造部品への展開を視野に、1回の成形・焼結で機械加工による溶製鋼並みの強度特性を可能とするソリューション提案を強化するもの。すでに超高密度焼結鋼材「Hipaloy」では、表面転造処理との組み合わせによりミッションギアに対応可能な強度特性を実現しており、高負荷部品における他製法からの代替を軸に高強度用途の展開を本格化する。同社では積極的な取り組みにより、粉末焼結部品の市場規模拡大を目指す。

 粉末焼結部品とは、金属粉を型に入れて押し固め焼結する粉末冶金法によって製造された金属部品。鋳造や鍛造、切削加工などに比べて複雑な3次元形状を低コストで実現できることが特徴であり、自動車分野を主に採用されている。しかし、製法上の制約から溶製鋼に比べて強度特性が劣るため、高強度を必要とする用途では採用されていない。
 世界的な金属粉メーカーのヘガネスは、粉末焼結部品の用途拡大を図るため、原料粉をはじめ設計や製造プロセスを含めたソリューション開発を推進中。自動車分野では、ベンツ「スマート」を試験車両にミッションギアの粉末焼結化に取り組んでいるほか、HIPによる焼結部品の4速ギアセットを競技車両の三菱「Evo9(4WD)」に提供するなど高強度領域での開発を進めている。
 Hipaloyは、1成形1焼結で密度7・5?7・6グラム/立方センチメートルを可能とする合金粉。熱処理後の機械特性は引っ張り強さ1650メガパスカル、降伏強さ1300メガパスカル、シャルピー衝撃強さ50Jを実現しており、高性能スポーツバイクのカムスプロケットなどに採用されている。
 諏訪東京理科大学の竹増光家教授が行った特性試験では、Hipaloyを用いた浸炭焼き入れ歯車は曲げ疲労強度1ギガパスカル超、面疲労強度2ギガパスカル超とトランスミッション溶歯車に必要な溶製材合金鋼(SCM415)の浸炭焼き入れ歯車に匹敵する荷重負荷能力を実現していることを確認。また仕上げ転造により表面から深さ0・5ミリメートル領域の気孔率を大幅に低減できるという試験結果を得ている。
 今後、同社では高強度・高精度を可能とする表面転造技術などの開発を進める方針。

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このページは、web staffが2010年11月30日 17:48に書いたブログ記事です。

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