旭化成ケミカルズは、耐溶剤性を高めながら高流動性を維持したアクリル樹脂の新グレードを開発、本格販売を開始した。同社は高流動性アクリル樹脂「バイモーダルPMMA」シリーズを製品化しており、その一環として耐溶剤性を改良したグレードをラインアップに加えている。今回製品化したのは、高流動性と耐溶剤性を両立させたグレードで、自動車部品に採用が決まった。またゴムをコンパウンドした耐衝撃グレードの展開も強化している。
旭化成ケミカルズのバイモーダルPMMAシリーズは、従来のアクリル樹脂に比べ、分子量分布を広げることで粘弾性挙動を変化させて、流動性を高めた製品。「デルペット80N」に続いて製品化した「80NB」は耐溶剤性能を高めたグレードで、エタノールやワックスリムーバーに対する性能が80Nに比べ10倍以上に高まった。しかし、流動性は大幅に低下したため、成形しずらいという欠点があった。
今回製品化した「80EB」は、80Nに匹敵する流動性と80NB並みの耐溶剤性を実現した。耐熱性も80Nに等しい性能を示している。表面硬度は3Hを維持し、洗剤やアルコールにも高い耐性を示すため、人の手が触れる用途にも適性がある。自動車部品向けに本格出荷しており、さらに幅広い採用を目指す。
またバイモーダルPMMAシリーズを、耐衝撃性グレードである「SR」シリーズへ応用する。SRシリーズはアクリル樹脂にアクリル系ゴムをコンパウンドした製品だが、流動性が悪いという欠点があった。新製品「SRB215」は80NBをベースにした製品で、優れた引っ張り特性や耐熱性を維持しながら流動性を高めた。射出成形に高い適性を示す。80NをベースにしたSR8350とともに、自動車部品や携帯電話向けに採用を働きかける。
今後は、バイモーダルPMMAシリーズで深絞り成形、ブロー成形、押出成形など2次加工特性を高めたグレードの開発を進める方針。

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