住友金属工業は、自動車の衝突安全性能を評価する落錘試験装置の高精度化を実現した。2002年に導入した1号機を改造したもので、重り(錘体)を持ち上げる電磁石部の改良により衝突角度で従来比60?70%の精度アップを図った。近年、自動車の衝突安全性能に関する評価基準が多様化・複雑化している。同社では、要素技術の充実化を背景に自動車分野の規模拡大を推進する。
低燃費化と衝突安全性能の向上は自動車開発の大きなテーマ。燃費向上を目的とした車体軽量化が進むなか、近年では事故の実態をより正確に反映するために衝突安全規則が定める評価基準が多様化・複雑化しており、そうした要求水準の高度化に対応するため、試験・評価装置の高精度化が求められている。
落錘試験機とは、錘体を落下させて試験体を潰して、衝突エネルギーの吸収性能やメカニズムを評価するための装置。同社は02年に業界に先駆けて導入し、部品レベルの試験を開始するとともに、07年には時速96キロメートルの衝突試験が可能な2号機を導入、実車による試験体制を構築している。
落錘試験装置の高精度化は、数千万円を投じて1号機試験機の電磁石部分を改良することで実現したもの。これまでは試験塔上部からワイヤーで吊り下げた電磁石で錘体を持ち上げ、落下させていたため、揺れによる錘体の発射姿勢が課題だった。今回は電磁石を錘体吊り上げ台車に接続するとともに、高精度ガイドレールを試験塔側壁に設けることで発射姿勢のばらつきを抑え、世界最高水準の精度を達成した。

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