トピー工業は、独自開発したマグネシウム合金の実用化を急ぐ。固相合成プロセスで製造する新合金は、常温において引っ張り強度および0・2%耐力ともに400メガパスカルを大幅に上回る機械的特性を実現しているのが特徴。また、結晶粒組織が極めて微細なため成形加工性にも優れており、軽量高強度部材として自動車分野などでの採用が見込まれる。同社ではビレットで直径80ミリメートル、丸棒素材で直径60ミリメートルまでの製造を可能としており、特性やコスト面のさらなる向上を図ることで早期事業化を目指す。
同社の新マグネ合金は、独自のメカニカルアロイング技術(ECABMA法)により開発した。マグネシウムの合金チップと2次粒子(酸化カルシウム)の混合物をせん断力を加えることで、破砕・均一分散しながら強歪により結晶粒を微細化したビレットを作製。これを熱間押出加工で丸棒素材とし、鍛造や切削加工により製品化するもの現在、酸化カルシウム添加量が3%と10%の2種類をAM60合金を開発している。
10%添加したAM60合金(比重1・94グラム/立方センチメートル)では、常温での引っ張り強度が442メガパスカル、0・2%耐力が431メガパスカルで破断伸び1・8%であるほか、250度Cでも引っ張り強度154メガパスカル、破断伸び25・9%を有する。汎用のマグネシウム合金(AZ91)はもとよりダイカスト用アルミ合金(ADC12)をも大幅に上回る特性を実現しており、高強度用途向けの軽量素材として注目される。
近年、同社では屋内外サイン(看板)システムをはじめとした事業の多角化を推進中。独自技術による新マグネシウム合金についても、そうした取り組みの一環として事業化に向け量産技術の開発などを推進していく方針。

コメントする