群馬大学大学院の半谷禎彦准教授の研究グループは、発泡アルミニウムの低コスト製法を開発した。新製法は、発泡剤を挟んだアルミ板を摩擦攪拌接合(FSW)で一体化することで発泡素材(プリカーサ)を作製し、加熱により発泡体とするもの。従来法に比べて原材料コストを95%、プリカーサ製造時間を85%削減できるのが特徴。また、プリカーサ作製時に鋼板を接合することで複合材も製造可能だ。同グループでは、自動車部品メーカーやアルミ加工メーカーとの共同開発により実用化を目指す考え。
多くの気泡を含む発泡アルミニウムは、軽量かつ衝撃エネルギー吸収特性や防音特性など多様な機能を有することから、自動車や航空宇宙、建築などの分野で注目されている素材。現在、鋳造法と粉末冶金法による製法が確立されているが、エネルギー消費や生産性などの面で改善の余地を抱えており、広く普及するためには低コスト化を実現する新たな製法の開発が必要だ。
FSWとは、回転ツールを接合材に押し当てて発生する摩擦熱により、母材の内部組織に一定の塑性流動を発生させ接合する技術。アーク溶接に比べて歪みが小さいために後処理がなくてすむほか、スパッタが起きないために外観性に優れることから、アルミ部材の接合技術として広く採用されている。
新技術は、FSWの原理を応用してアルミニウムに発泡剤を分散させプリカーサを製造するもの。単純プロセスで安定した品質の発泡アルミニウムを製造できるほか、もともと接合技術であるため傾斜機能を持たせたり、他素材との複合化が容易にできるといった特徴を持つ。
またダイカスト技術の活用により、発泡剤を使用せずに発泡アルミニウムを製造することも可能だ。
今後、同研究グループでは実用化に向けて企業との共同研究を進める考えで、実際の自動車部品で要求される機械的性質の発現や、それに必要な原材料開発に取り組む方針。

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