三井金属は、マグネシウムの用途展開に拍車をかける。新たにアルミニウム合金を上回る熱伝導性を有するダイカスト用合金を開発し、自動車ヘッドランプ用LEDの放熱部材として外部企業と共同開発に着手。また、陽極酸化による着色可能な新表面処理法の基礎技術を開発し、実用化に向けて取り組んでいるもの。新合金については、自社の開発分野と重複しなければ外販にも応ずる考えだ。同社では、積極的な用途開発の取り組みを通じてマグネシウム市場の拡大を目指す。
マグネシウムは比重がアルミニウムの3分の2、鉄の4分の1と実用金属の中で最も軽い素材。その特長からノート型パソコンやデジタルカメラといった家電製品をはじめ自動車、航空機、医療機器などの幅広い分野で利用されている。さらなる用途開拓に向けては、マグネシウムの軽量素材として活用することを目的に加工性や耐食性の向上を狙った研究開発が主流となっている。
新マグネ合金は、放熱用途における採用拡大を目的に熱伝導性を理論値の157ワット/メートルケルビンに近づけることを目的に開発をおこなってきたもの。合金に添加するアルミ量を抑制することでAZ91合金の並みの引っ張り強度を確保しつつ124ワット/メートルケルビンを実現しており、従来のマグネ合金(60?70ワット/メートルケルビン)はもとより、アルミダイカスト合金(100?120ワット/メートルケルビン)を上回る。
一方、表面処理についてはアルミ製品で一般的に採用されている陽極酸化(アルマイト)処理による新技術の開発を推進中。マグネダイカスト品ではアルマイト処理できれいに皮膜が形成できないため現状では化成処理が主流となっているが、同社では皮膜の改良によりこれを可能とするもの。優れた耐食性の付与とともに着色できるのが特徴であり、意匠性も高められる。現在、サンプルワークに市場調査を行っており、発色性の改善などに取り組むことで来年にも事業化する方針。
同社では、今後も軽量性にプラスアルファの機能を加える方向でマグネシウムの研究開発を進めていく考えだ。

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