東レは15日、高い耐熱性・表面硬度と成形性を両立させた加飾成形用ポリエステル(PET)フィルムを開発したと発表した。独自のアロイ技術とフィルム積層技術を駆使し、PET本来の耐熱性や耐傷性を維持したまま、従来品に比べて成形性を1・5倍に高めたのが特徴。ハードコートや印刷との密着性にも優れることから、自動車や家電製品、モバイル機器、建材といった幅広い用途での使用が可能。すでに滋賀事業所(滋賀県大津市)において年間1000トン規模の量産体制を整えており、2015年度をめどに20億円の売り上げを目指す。
加飾フィルムの市場規模は全世界で推定200億円。近年、環境意識の高まりから塗装やメッキの代替材料として注目されており、潜在市場は3000億円規模ともいわれている。
加飾フィルムには、成形が容易なポリカーボネート(PC)など非晶性の樹脂シートが広く採用されているが、耐熱性や表面硬度、耐溶剤性において材料特性の向上が求められていた。一方、PETフィルムに高い成形性を付与するため他の成分を共重合させる方法があるが、耐熱性や耐傷性が低下するという課題を抱えていた。
今回、同社が加飾成形用に開発したのが「高成形2軸延伸PETフィルム」。ナノレベルのアロイ技術と高精度フィルム積層技術を融合することで、PETフィルムの優れた表面硬度と高い耐熱性、耐薬品性を損なうことなく、複雑な立体形状にも対応できるようにした。耐熱性の指標である熱収縮率は1・2%以下(150度C)、表面硬度はHで、破断伸度が280%(同)と高い成形性を有している。
また高成形層、高硬度・高耐熱層に加えて、最外層に厚み0・5マイクロメートル以下の極薄易接着層を設けることで、ハードコート層や印刷層との密着性も高めている。

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