日本マグネシウム協会は3日、都内でマグネシウム合金の自動車部材への適用をテーマに講演会を開催した。軽量化の観点から注目されているマグネシウム合金だが、さらなる適用拡大には表面処理技術や鋳造(ダイカスト)技術の向上が不可欠。近年ではパワートレイン系で耐熱合金が増加傾向にあるが、自動車メーカーからは技術開発や軽量化以外の価値創出が採用拡大の課題として提議された。
表面処理技術および鋳造技術の最新動向や今後の展望を紹介することを目的とした同講演会は、定員を上回る参加者が出席。「マグネシウム合金の自動車への適用動向と課題」(日産自動車材料技術部・板倉浩二氏)をはじめ「マグネシウムダイカスト技術の現状と課題」(三井金属鉱業ダイカスト事業部・二宮隆二氏)、「マグネシウム合金の自動車部材への表面処理」(ミリオン化学・松村健樹氏)など6件の講演が行われた。
このうち板倉氏の講演では、最近の状況について「軽量化ニーズの高まりからパワートレイン系において耐熱合金の採用が増加傾向にある」といい、箱物部品におけるアルミからの置換が1つのトレンドになっていると説明。またコックピット部品では軽量化や部品点数削減効果、設計自由度の高さからダイカスト部品の採用が進んでいるほか、ボディー部品でも鋼板プレス溶接部品のマグネダイカスト化に取り組んでいるという。近年、開発が活発化しているマグネ圧延板については、パネル部品への適用が検討され始めた。
今後については、部品やシステムの構造合理化の拡大や波及効果が大きい源流部品の軽量化を進めるなかで、マグネ部品の採用が検討されていくことになるとし、軽金属部品として「アルミや高張力鋼板にコスト的に近づく低廉化の取り組みが必要」と指摘。
またパワートレイン関連で使用するマグネ耐熱合金については、耐熱性(主に締結部の軸力保持性)の向上や異種金属接触腐食(電食)への対応、さらには耐応力腐食割れ性を考慮した部品設計と、それを可能とするデータベースの構築などを今後の課題としてあげた。

コメントする