スズキ、アルミ部材の低コスト化技術開発、自動車の軽量化に貢献

| コメント(0) | トラックバック(0)

 スズキは、自動車車両のアルミ化を進展させる独自の製造技術を開発した。構造設計を含む同技術はアルミ押出材を活用したのが特徴。これにより実用化したリアロアアームは、既存のアルミダイカスト製に対して22%のコストダウンを達成。これまで高コストから高級車やスポーツカーなどに限定されていたアルミ製リアロアアームの小型車への搭載を可能としている。「自動車部品にはパイプ形状で端がブッシュの部材は他にもある」(四谷剛毅開発部係長)ことから、同社では他部材のアルミ化への適用を検討していく考えだ。

 軽量化手法の1つであるアルミ化については、フード・パネルといった板材の利用やパワートレイン関連で進んでいる。近年では「軽量化ニーズの高まりから足回りやシャシーへと広がりつつある」(同)といい、すでに足回り部品については軽量化および剛性アップにより乗り心地が向上するため、高級車などで採用されている。しかし、コンパクトカーなどの一般車においてはコスト高がネックとなり普及していないのが現状だ。
 リアロアアームはサスペンションフレームとナックルを連結するもので、車体からの大荷重を支えるため、一般にはコイルスプリングを受ける中央部を鋼板2枚で溶接した中空構造とすることで強度を確保している。また実用化されているアルミダイカスト製では、閉断面構造を成形できないという製法上の制約があるため肉厚化で対応しており、これがコスト高および軽量効果低減の要因となっている。
 スズキが実用化したリアロアアームは、アルミ押出材を採用することで閉断面構造を実現。これにより溶接せずに必要な強度を確保したのが最大の特徴だ。開発のポイントはアルミ押出材の加工法にある。一般にアルミ押出材を冷間加工する場合は押出?プレス成形?熱処理?歪み取りという工程を踏むが、この方法では熱処理がバッジ式となるほか、製品も傷つきやすく取り扱いに慎重さが求められるとともに、熱処理後の歪みを除去するプレス工程がコストアップ要因となる。同社では低コスト化を図るため、押出後に熱処理しプレス加工する独自プロセスを採用することで大幅な生産性向上を実現した。
 そのため製品は、断面形状が最も大きいコイルスプリングを受ける部位の断面を押出材の断面形状に設定するとともに、プレス成形後の品質を確保するため、サスペンション取り付け部の縮管構造に車体上下面を切り欠き側面を押し曲げて成形する設計を採用。またサスペンション取り付け側のブッシュとリアロアアームの結合では、アルミ製ブッシュを圧入後に拡管してかしめ結合する方式としており、これまで以上に圧入しろが大きな場合でも十分な抜け荷重を確保した。材料のアルミ合金については、成形性と強度のバランスから「6N01-T5」を選定。これをベースに銅添加により高強度化を図るとともに、熱処理管理を厳密に行うことで耐力値の安定化を図っている。
 実用化したリアロアアームは、重量についても既存のアルミダイカスト製に対して30%の軽量化を実現。また製造コストも構造上、新たに追加したコイルスプリングを受けるゴム部品のコストを除けば「従来の50%まで低減している」(同)。同製品は「キザシ」に搭載されており、同社では今回の知見を活用し、さらなるアルミ化による車体軽量化に取り組んでいく。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://27.34.136.204/cmt/mt-tb.cgi/1750

コメントする

このブログ記事について

このページは、web staffが2010年7月20日 16:06に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「トヨタ紡織、次世代自動車用シート実用へ、ネット素材で軽量化 」です。

次のブログ記事は「JSP、自動車軽量化材料で相次ぎ新製品、1台で100キロ削減へ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。