横浜ゴムは、リトレッドタイヤ(更生タイヤ)事業を強化する。高まる市場ニーズに対応するため、新たに多品種生産に適したプレキュア方式の生産に乗り出す。現在、グループのリトレッド生産工場で量産開始に向けた準備を進めており、今年中に商業化する計画。長引く不況や環境規制の強化を背景に、国内のトラック・バス用タイヤにおける更生タイヤ比率は、現在の10%強から拡大することが見込まれている。同社は体制強化により拡大する市場ニーズを着実に取り込んでいく考え。
リトレッドタイヤは、使用ずみタイヤの溝部分のゴム(トレッド部分)を新しいものに張り替えた再生タイヤ。新品タイヤに比べて約7割の省資源化が可能なほか、廃タイヤ削減などの観点から高い環境保全効果が期待できる。製法にはパターンのついていないトレッドゴムを貼り付け、金型に入れ加硫して製造するリ・モールド方式と、パターン付きのトレッドゴムを貼り付けて加硫するプレキュア方式の2種類ある。
欧米では、新品タイヤに対する優位性が評価され、すでに更生比率は50%程度にまで達している。普及が遅れていた国内でも地球温暖化防止や燃料費の高止まりを背景に、運輸・輸送業界におけるリトレッドタイヤに対するニーズが高まっている。昨今では、同タイヤに対する取り組み姿勢が新品タイヤの販売にまで影響する兆しがみられるまでになってきているという。
現在、同社ではヨコハマタイヤ東日本リトレッドおよび山陽リトレッド2事業会社を有し、北海道、埼玉、名古屋、広島と国内4工場体制を構築。金型などの初期投資を要するものの大量生産に向いているリ・モールド方式により同事業を展開してきた。
プレキュア方式の事業化は、リトレッドタイヤの需要拡大を背景に多様化するユーザーニーズに適応した生産体制の整備を目的としている。現在、生産現場において商業化に向けた準備が進められており、年内に本格生産に乗り出す計画だ。
同社はリトレッドタイヤの品質確保を目的に自社製使用ずみタイヤの回収率向上なども進めており、一連の取り組みにより成熟化する国内市場でシェア確保を図っていく。

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