京大、新規セラミックス多孔体開発、第3世代DPF向け期待

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 京都大学エネルギー理工学研究所の鈴木義和助教は、第3世代のディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)材料に向けた新規セラミックス材料を開発した。低熱膨張、低コスト、高耐熱性、高強度を同時に満たす材料として、MgTi2O5およびMgTi2O5/MgTiO3多孔質複合材料の2種類に着目。以前から第3世代DPFとして開発が進められている等軸状粒子による3次元ネットワーク型多孔質複合材料に比べ、高靭化や圧力損失の低下が期待できる微細構造を得ることに成功した。今後、造孔材の添加や原料粒度の制御により、DPFへの応用に向けた細孔構造の最適化に取り組み、5年以内に実用レベルの実現を目指す。

 DPFは排ガス中の粒子状物質を捕獲するために広く利用されている材料。低熱膨張・低コスト・軽量性を特徴とする第1世代のコーディエライト多孔体や、より高温での粒子状物質(PM)燃焼除去を可能とし、高強度で乗用車に適した第2世代の炭化ケイ素(SiC)多孔体が主に用いられている。しかし、低熱膨張、低コスト、高耐熱性、高強度を兼ね備えた第3世代については、開発途上にあるという。
 同氏は、擬ブルッカイト構造を持ち低熱膨張を特徴とするMgTi2O5に着目。比較的安価な材料である炭酸マグネシウムと二酸化チタンを原料としたペレットを、大気中で反応焼結(1000?1300度C、2時間)し、高性能が期待できる多孔体を得た。対抗馬となるチタン酸アルミニウムと比較した場合、負の熱膨張率をもたないため、マイクロクラックが入りにくく、高強度を実現する。鉱化剤にはフッ化リチウムを添加した。同成形体系は、CO2再吸収によるマイクロクラックの自己修復機能を付与できる可能性があるとしており、「インテリジェントDPF」化やCO2回収材料への展開も検討していく。なお、一部開発についてはすでに大手セラミックスメーカーと共同開発中だが、今後、さらに電気特性を生かせる用途などで、共同開発企業を探索している。ディーゼル車や産業用ディーゼル機器の需要の急拡大が予想される途上国での環境保全に、日本発の技術として貢献していく。

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このページは、web staffが2010年4月 1日 18:21に書いたブログ記事です。

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