東京工業大学・萩原一郎教授らの研究グループは、車両軽量化を可能とするトラスコアパネルを開発した。塑性加工により平板に三角錐の凹凸を施した同パネルは、ハニカム構造と比較して優れたエネルギー吸収特性と低コスト化を実現したのが特徴。フロアパネルに使用すれば、支持部材の省略もしくは断面形状の縮小から25%の軽量化が図れるほか、アルミへの材料置換により重量半減も可能だ。同グループでは、実用化を目指した応用研究を進める。
トラスコアパネルは、鉄道・運輸機構の「運輸分野における基礎的研究推進制度」による開発プロジェクトの一環として開発したもの。プレス加工によりハニカム構造の3分の1?5分の1の低コスト化が可能なほか、遮音・吸音といった音響特性や断熱性などの特性を有する。同グループでは、スチール以外にも温間成形によるアルミ板材への応用技術や、真空成形によるポリカーボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)といった樹脂材料への適用技術も開発している。
現在、ソーラーセル向けには、建物に設置する際に使用するベースパネルとしてスチール製で1平方メートル当たり6・9キログラム、アルミ製で同3・7キログラムの軽量パネルの製品化などに取り組んでいる。自動車分野では、同技術を応用して潰れ特性を現行の70%から90%に向上する反転螺旋円筒型サイドメンバーなどを開発している。
自動車用パネル材としては、軽量かつ高剛性で遮音・制振性能に優れるフロアパネルとして実用化を進めている。バス用の試作品では、現状構造(パネル厚24ミリ)をトラスコアパネル(同16ミリ)に置き換えることで同等の剛性を確保しつつ40%以上の軽量化と30%以上の薄型化を図っている。同グループでは、クロスメンバー埋め込み型フロアパネルやフロアと側部シル構造の接合・一体化モデルなども開発しており、適用可能な用途分野として自動車用軽量部材の実用化を推進していく。

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