「リチウムイオン電池への投資は間違い」?東京大学大学院新領域創成科学研究科の堀洋一教授は、16日に都内で行った講演で電気自動車(EV)の蓄電装置は電池ではなくキャパシターになるとの見方を示した。プラグインハイブリッド(PHV)の実用化を契機に一般消費者の自動車の航続距離に対する考え方が変化すると予想。その結果、リチウムイオン電池から耐久性や急速充放電特性に優れるキャパシターが主流になるとみる。上海では路線バスにキャパシターを応用したEV車両が導入されており、自動車へも展開されていくのか注目される。
物理電池といわれる電気2重層キャパシターは、100万回の充放電が可能なほか、航続距離が5分で40キロメートル、10分で60キロメートルと急速充放電が優れるなどリチウムイオン電池を上回る特性を有する。また、50ボルト?100ボルトの間で使えば充電エネルギーの約80%が使え、端子電圧から残存エネルギーがわかるといった電池にはない特徴を持つ。
今回の講演は今年7月に開催されるテクノフロンティア概要発表の会見の中で行われたもの。堀教授の見方では、PHVを購入した人は夜間や昼間の使用していない時間に充填することで極力ガソリン消費を抑えようとする。PHVの普及により航続距離に対する考え方は「これまでの数百キロ走る考え方から、(充電のための)インフラから離れても安心して走れる距離」に変化すると予想。そのためインフラが整っている都市部を中心に、EVの蓄電装置は充放電特性とパワー密度で電池をはるかに凌ぐキャパシターが主流となるとみる。
堀教授の研究グループでは、実用化に向けてキャパシターによるEVとともにワイヤレス供給による充電システムの開発も進めている。

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