イノアック技研、CNTの複合化開発を積極化、チタン強度を大幅向上

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 材料系開発会社・イノアック技術研究所(神奈川県秦野市)は、カーボンナノチューブ(CNT)の応用展開を推進する。大学や外部企業などと共同で高分子材料をはじめとする各種素材の機能向上および用途開拓に取り組んでいるもの。大阪大学と開発中のチタン?CNT複合体では、CNTを5%配合することで純チタンの引っ張り破断強度および硬度を45%前後向上することに成功した。同社では、低コストと強度を両立した新素材として、自動車や航空機などの輸送機器向け部材や熱交換材料といった用途向けに実用化を急ぐ。

 同社は、各種高分子材料の開発およびその用途開拓を主事業とするイノアック・コーポレーショングループ会社。CNTに関しては、北海道大学の古月教授と共同で水や溶媒など各種バインダーとの相性や経時安定性に優れ、高い導電性を有する分散液を開発。すでに水やシクロヘキサン、メチルエチルケトン(MEK)を溶媒にCNT濃度2?10%のグレードを展開している。
 また、同分散液をベースに導電性ウレタンフォームや樹脂成形品、ポリマー素材にCNTを配合したゴムなどの素材開発に取り組む一方、これら素材を用いた用途開拓にも取り組んでいる。クラレリビングなどと共同開発した10立方オームセンチメートルの線抵抗値を有する非金属導電発熱繊維では、北海道旅客鉄道に水タンク凍結防止用としてモニター評価されているほか、同社でも熱伝導性を利用し地中熱交換システム用高密度ポリエチレンパイプとして応用を進めている。
 チタン?CNT複合体は、CNTを配合することで低コストと強度を両立した新素材。CNTを5%配合した素材で引っ張り破断強度948・4メガパスカル、ビッカーズ硬度376、伸び14・5%の物性を実現。2%配合でも純チタンに比べて引っ張り破断強度が30・8%増(846・9メガパスカル)、ビッカーズ硬度で18%増(309)の特性向上を図るとともに27・5%の伸びを実現している。
 これ以外にも自動車用摩擦材料や導電塗料といった用途開拓も進めており、同社では独自のCNT関連技術を軸にした事業展開を推進する。

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このページは、web staffが2010年3月 8日 17:33に書いたブログ記事です。

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