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隠れたニーズつかめ ファイン企業のWeb戦略【2】 "プル型"営業を実現へ
サイトにユーザーを誘導するには「接点」が必要になる。展示会などを含めた営業活動もそうだし、今は技術情報もインターネットで検索するのが一般的になっている。
2007年末にWebによる集客にシフトし始めた佐々木化学薬品(京都市山科区)は、早い時期にホームページを開設していたが、トップページに会社案内を載せる程度で「動きや工夫に乏しかった」(経営企画室)。その同社は現在、金属表面処理薬品や機能性樹脂などを扱うメーカー部門では電話などの営業を一切していない。営業の仕事はサイトを通じて来る問い合わせへの対応だ。
Web戦略を担う経営企画室の高橋靖史責任者は、サイトの方針を「来訪してほしいユーザーにみつけてもらい、興味をもってもらうこと」と話す。例えば金属の光沢を増すといった製品の効果が明確でも、どういったシーン、産業で必要とされるかわからない。だが、もしサイトにうまく誘導できれば、「従来の"プッシュ型"営業ではなく、全国から問い合わせをもらえる"プル型"営業を実現できる」。
キーワード重要
サイトへの集客のキーワードになるのは、まさに素材名やユーザーが抱えている課題、製品特性といった「キーワード」。ネットでキーワード検索した場合、上位に表記されるためのSEO対策には、外部リンクを増やしたり、関連業者に有料で依頼する手法もある。だが同社は「外注せず、お金をかけない」方針を設定。スタート時こそ「外部の顧問に指導を受けた」が、営業や開発から集客したいユーザー像をヒアリングし、それを基に経営企画室のWeb専任者3人が手作りでコンテンツを充実させていった。
「アイテム数がたくさんあるなか、月1品のペースで製品専用ページを作り続けた」結果、サイトへ誘導する導線の網が徐々に張り巡らされ、アクセス数は月を追うごとに増加していった。月間アクセス回数は2万件にのぼっている。
一方、化学用語の意味や定義の紹介など、商品以外の情報も充実させている。「商品名以外のキーワードなら、公共に有用な情報が多いほど検索時に上位になる」からだ。また、歴代の女性担当者が試行錯誤したサイトデザインは、社名ロゴのグリーンを基調に、さわやかなホワイト、差し色にオレンジを使って親しみやすさを演出している。
同社では問い合わせ内容の分析などを2カ月に1度、実施している。その内容は社内で発表する決まりで、次のサイト作りや製品開発に生かしているという。「外注だと一般的なデータしかもらえず、コストもかかるしタイムラグもある。内製化すれば自社にとって何が必要かの判断基準をもてるようになる」。興味の高いユーザーからの問い合わせの成約率は15%以上で、「問い合わせありきなので営業は精神的には楽になったはず。何より経費の削減になっている」とWeb活用のメリットを感じている。いまや同社は楽天にも自社店舗を開設し、一般消費者のマーケティングを兼ねた販売も行っている。
専任要員が充実
ただ、同社には社長による「Webで集客しよう」という鶴の一声があった。当初は担当者も「実績を残さなければ、というプレッシャーがあった」というが、入れ替わりがあったものの100人規模の会社で3人の専任スタッフがいる環境は、更新頻度が重要なWeb戦略を実行に移すうえで恵まれていたといえる。一方、Web活用の土壌が根付いていなかった企業で女性担当者が孤軍奮闘し、次第に社内の見方を変えていったケースもある。