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重力差がもたらす生体への影響
航空・宇宙ファンならずとも、ロケット打ち上げと宇宙でのドッキングの瞬間は、感動を呼び起こさずにはおかない。昨日の本欄でも少しふれたが、固唾をのんでその映像を見守った人は多かったのではないか▼大西宇宙飛行士のミッションのひとつが、日本の実験棟「きぼう」でのマウスの飼育実験。2つあるマウスの飼育容器のうち、ひとつは無重力(0G)、もう一つは回転させて遠心力により1Gの擬似重力を作る。重力の違いでマウスに現れる変化を調べる。無重力環境では、骨量減少、筋萎縮など老化のような現象が地上の10倍―30倍の早さで進むという。このメカニズムを解き明かし、加齢にともなう病気の予防や治療に役立てる▼周回軌道上では、遠心力を操作することで様々なレベルの擬似重力を作り出せる。いつの日かスペースコロニーが実現すると、0G、0・5G、2Gなど異重力居住区をコロニーの中に任意に併存させられる▼1990年代、2度宇宙に行った向井千秋さんは、0Gから少しずつ重力レベルを上げていくことで、寝たきりからのリハビリなどに活用が期待できるという。2度目のミッションの時、向井さんが宇宙で詠んだ上の句に付ける下の句を募集したところ、こんな切実な連歌ができた。〈宙返り何度もできる無重力 まかせてみたい動かぬ体〉。