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2016年03月14日 前へ 前へ次へ 次へ

エネルギー供給を巡り備えるべき点

 世界経済フォーラムが先ごろ発表した2016年版「エネルギー構造効率指数」で、日本は対象126カ国中、50位にランクされた。同指数は「価格の適切性」「環境面の持続可能性」「安全保障とアクセス」という3つの側面から、各国のエネルギーアクセス提供能力を評価したもの。併せて「エネルギーインフラの整備」「サイバーテロへの備え」「エネルギー安全保障の新秩序」という3つの動きに備えるべきと指摘しており、示唆に富んでいる。
 エネルギー構造効率指数が1位となったのはスイス。上位には、産業のサービス化が進み、GDP当たりのエネルギー使用量が小さい国が並んだ。GDP上位12カ国のうち、10位以内に入っているのはフランスのみ。重化学などエネルギー多消費型産業の比率が高い国は、総じて厳しく評価されている。
 日本はアジアトップながら全体では50位に止まる。09年には26位だったが、大きく順位を下げた。環境適合性だけを見ると89位。福島の原発事故の後、石炭火力はじめ化石燃料の消費が増え、再生可能エネルギーの比率も低いためだ。経済成長に対するエネルギーの貢献度でも、改善の余地があるとされた。
 一方「安全保障とアクセス」という点では評価が高い。化石燃料を輸入に頼り、エネルギー自給率が極めて低いという根本的脆弱性を抱えながらも、調達の多角化に努め、国民すべてがエネルギーにアクセスできる環境にあることが理由だ。
 この指数は一国のエネルギー事情を総合的に示す分析結果であり、必ずしも順位に一喜一憂する性格のものではなさそう。しかし指摘のあったエネルギーを巡る3つの動きには、注意を払う必要がある。
 エネルギーのインフラ整備とは、今後急成長する再生可能エネルギー、分散型発電に対する備えを意味する。着実な設備投資の実行とともに、電力業界のビジネスモデル構築、電力網の管理、規制の整備などが具体的内容となる。またインテリジェント電力網の発展はIoT(モノのインターネット)による生産・消費の最適化をもたらす一方、サイバーテロの脅威を高めることが懸念される。
 資源需給の新たな秩序にも対応しなくてはならない。米国が原油・天然ガス輸出国となったことは、日本にとって調達の安定性向上につながる。中央アジア、アフリカも将来の調達先として期待できそうだ。そのなか日本にとって伝統があり最も重要な中東は、シリア情勢に見るように混迷の度を深めている。最悪の事態も想定し、一層の調達多角化を図るべきだろう。


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